こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
先日、あるメーカーのPRその他を担当している代理店さんから相談を受けました。担当することになったという製品の一般的な知識について、消費者の求めているもの、その傾向、製品群の最近の傾向などをお話させていただいたのですが、その際に担当者の方がこんなことをおっしゃったのです。
「そうですか、でも、先方はこれを売りたいみたいなんですよね」
私がそのメーカーさんには、他者と差別化できる点がある、いい製品があるし、あまり1つにこだわらないほうがいいのでは?とたずねたときに、出たのがこの言葉だったのです。つまり、クライアントであるメーカーさんは“売りたい”と思っているものをいかにPRできるかのために、代理店にお願いしているわけで、ここには顧客はある意味不在です。
今日、広報コンサルタントをしている方がこんなつぶやきをしていました。
「自分の製品やサービスに思い入れが強すぎると押し付けになる。距離感が必要」
これって、先に述べた“売りたいものを売る”−だって、こんなに技術力その他を結集したよい製品なのだから…という姿勢にもつながるように思います。自信作かもしれないけれど、そこに顧客の姿が不在ならまさに押し付けになります。
同時期にそれ以外の製品も出していて、それはフラグシップでないとしても、それを必要としている人がいる素晴らしい製品ならちゃんとそのことを伝えていかなければならないのではないでしょうか。そして、そこを見極めて、きちんと伝える立場の人が必要のはず。
私はウィキペディアをあまり信用していないし、鵜呑みにはしていませんが、マーケティングの項に書いてある
「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である
という説明にはなるほどと共感しています。商品の特性を理解し、顧客が求めるサービスや商品を理解し、最終的にちゃんとそれが顧客に伝わるようにしていくことが大切なのですよね。
今回の“売りたいもの”についても、これをまさに必要としている人を探し出し、その人たちの向けて訴求できるのなら、一つの方法かもしれません。でも、“売りたい”ということが先に立って押し付けになっては消費者の心には響かないことでしょう。本当はものづくりの時点での見極めからしていかないといけないのだろうなと思います。
2010年10月08日
2010年10月04日
“感動の仕掛け”のWEBショップ、続きの話。
こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
昨日、ご紹介したジュエリー工房「Orefice(オレフィーチェ)」さんの、顧客への心配りの素晴らしさ(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/41076984.html)…ですが、続きのお話があります。商品のよさだけでなく、包装や同封するレター、レビューを書いてもらうための仕掛けなどが行き届いているということをここで紹介したところ、わずか3時間後にお店の担当者からメールが届いたのです。
せっかくなので、うれしいメールをここで紹介させていただきましょう。
「お届けした商品で○○様の美しさがもっともっと輝きだしますように」という最後の一文も素敵です。
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昨日、このWEBショップの対応についてツイッターでもつぶやいたところ、「実際に触れ合わないからこその仕掛け。売り方をデザインする時代」との返信をいただき、まさにそのとおりだなあと。
『売り方のデザイン』…この言葉、心に留めておきたいと思います。
昨日、ご紹介したジュエリー工房「Orefice(オレフィーチェ)」さんの、顧客への心配りの素晴らしさ(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/41076984.html)…ですが、続きのお話があります。商品のよさだけでなく、包装や同封するレター、レビューを書いてもらうための仕掛けなどが行き届いているということをここで紹介したところ、わずか3時間後にお店の担当者からメールが届いたのです。
せっかくなので、うれしいメールをここで紹介させていただきましょう。
神原様はマーケティング関連のお仕事をされてらっしゃるのですね。さっそくブログを拝見し、大変興味深く読ませていただきました。当店の対応や梱包について詳しくご紹介いただき、ありがとうございました。大変ご満足いただけましたようで、こちらも喜ばしい気持ちでいっぱいでございます。楽天市場へのレビューの書き込みをしたり、ブログでの紹介記事を書いた場合はお知らせください…ということだったので、一応、こちらからのメールに対する返信ではあるのですが、すでに用意してあるお礼の文章のコピペではなく、きちんとレビューなりブログ記事なりを読んでの個別の内容だということがわかる返信です。
今後もオレフィーチェのファンを増やしていけますよう、また一人でも多くのお客様に感動していただけますよう、丁寧に取り組んで参りたいと思います。顧客視点アドバイザーの方からプロのご意見もいただけましたら非常に参考になりますので、何かございましたらいつでもご助言いただけますと幸いでございます。
(中略)
お届けした商品で神原様の美しさがもっともっと輝きだしますように・・・
「お届けした商品で○○様の美しさがもっともっと輝きだしますように」という最後の一文も素敵です。
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昨日、このWEBショップの対応についてツイッターでもつぶやいたところ、「実際に触れ合わないからこその仕掛け。売り方をデザインする時代」との返信をいただき、まさにそのとおりだなあと。
『売り方のデザイン』…この言葉、心に留めておきたいと思います。
2010年10月03日
もう一度買いたいと思わせる、あるWEBショップの感動の仕掛け
こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
先日、楽天市場のサイトでアクセサリーを買いました。ちょうど欲しいなあと思ったいたものが手頃な価格で販売されていたのと、レビューの数が多く、しかもとても丁寧に書かれていて購入した人の満足度の高さに安心感があったから…というのがその理由だったのですが、注文した翌日に品物が届いた迅速さもさることながら、お店の心配りのようなものが随所に感じられて「なるほど!」と思いました。
同封されていた便せんには、店長さんからの手書きのメッセージがあり、購入者の名前が書かれて「私へのメッセージ」であることが伝わってきます。たとえ、その後の文章がいつも同じであったとしても、自分の名前がペンで書かれているというのはうれしいものですよね。
うれしかったので全文をご紹介すると…
神原恭子様(←私の本名です)便せんと一緒に、レビューを書いて、お店にメールで連絡するとプレゼントがある旨の説明も同封されていました。先の店長さんからのメッセージに加え、レビュー特典があると聞けば、誰でもレビューを書くひと手間を惜しまないことでしょう。
Oreficeのジュエリーをお買い上げいただき誠にありがとうございます。
当社では「うれしいを作る うれしいを届ける」を理念にお客様に共感していただけるジュエリーをお届けしたいと思います。
お買い上げいただいた製品のご感想を「レビュー」にてぜひお聞かせください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
Orefice店長 清水千栄
楽天市場のようなWEBサイトでは、初めて購入するショップだったり、少し値の張る商品だったりする場合、レビューを参考にすることが多いと思いますが、いかにしてレビューを書いてもらえるかの仕掛けとして、このお店はとても丁寧に取り組み、顧客の心理をついているなあと思いました。
購入したアクセサリーは上の画像にある白い巾着に入っていたのですが、巾着をあけてみるとやわらかな紙で丁寧に包まれ、紙をとめてあったテープははがしやすいように端が一折してあり、本当に細部まで行き届いています。
そしてもう一つ、このショップでは、注文時に「通常梱包(ケース、段ボール)」「簡易梱包(ケース、紙バッグ)」「エコ簡易(巾着、エコバッグ)」の3種類の梱包方法を選べるようになっていて、「エコ簡易」を選ぶと、アクセサリーがケースでなく巾着に入り、それをクッション材でキャンディみたいにくるんで、オリジナルエコバッグ入れ、透明のビニール袋に入れた状態で発送されてきます。
かさばらず、ゴミもほとんど出ず、エコバッグも再利用できる…という方法なのですが、さらにこのエコ簡易を選んだ場合、1配送につき30円を「乳がんほほえみ基金」に寄付してピンクリボン運動に参加する…という試みもしているのです。http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/pink.html
もちろん、取り扱っている商品そのものに魅力があり、品質も価格も納得のいくものであることは大前提ではありますが…初めてWEBサイトをのぞいた人には、レビューの多さやその内容で購入にまで結びつけ、一度購入した人には丁寧な対応でレビューを書かせるだけでなく、もう一度買いたいと思わせる。「ファンを作る」仕掛けというのはこういうものをいうのだなあと思いました。
◆ジュエリーショップ「Orefis」
http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/index.html