2012年11月19日

拡大する“袋麺市場”、今こそ全国各地の個性派の台頭を!

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。


東洋水産の袋麺「マルちゃん正麺」が売れている。同製品の特徴は、生麺のようなコシのある食感にある。昨年11月の発売開始当初、同社は年間100億円を販売目標としていたが、200億円に上方修正。生産ラインを増設し、対応する(YAHOO!ニュース)


最近、何かと話題の袋麺。マルちゃん「正麺」が年間販売目標を2倍に上方修正したことも注目に値しますが、何より、カップ麺にお株を奪われていた袋麺市場が「シェア争い」ではなく、2008年から2010年まで3年連続で縮小傾向だった「即席袋麺」市場が、2011年度は前年比105%増のプラスに転じ、「市場拡大」していることがものすごいことなのだなあと思います。

「正麺」のほかにも、カップ麺の人気ブランド「日清ラ王」の袋麺を8月27日より関東甲信越・静岡地区で先行発売。サンヨー食品は「サッポロ一番 麺の力」を発売。明星食品「チャルメラシリーズ」も7メニューのリニューアルをしています。この袋麺戦争ですが“戦争”というくらいですから、敵対するものがあってこそ。こんなふうに、いわゆる即席麺市場の王道たちが、『本格的な麺の食感』をキーワードに新製品やリニューアル製品を投入して、さらに市場を活気づけようとしているのですね。

でも、袋麺って実は全国各地で人気を集めている“知る人ぞ知る”個性派麺もけっこうあることをご存じですか?

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これは、某大手酒店の売り場ですが、いわゆる“棒ラーメン”的なラーメンのほか、四角い袋入りの即席麺が個性豊かに勢ぞろいして実に楽しいのです。

中でも、異彩を放っていたのが、白地に目と鼻を描いた「白くま塩ラーメン」。にぎやかな彩りのデザインが多い中で、「え?これ何?」と思わず手に取らせるシンプルかつインパクトのあるデザイン。調べてみたところ、このラーメンは札幌の円山動物園で人気の白くまをモチーフにしてデザインされたコラボ商品とのこと。

麺は生麺を丸3日間熟成乾燥させ、コシのある麺に仕上げ、スープは香味野菜の旨みたっぷりのあっさり塩味。札幌円山動物園は絶滅危惧種に指定されたホッキョクグマの飼育と繁殖に取り組んでおり、この商品の売上の一部は同園に寄付されるそうです。

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ということで、私自身も思わず1袋購入。1袋160円だったので、普通の袋麺よりは少し高めだったけれど、買わないわけにはいかなかったのでした。

先の売り場の様子を見てもわかるように、日本各地のこだわりの袋麺というのはけっこうたくさんあるものなのです。せっかくの袋麺人気なのですから、大手ばかりの製品を置くだけでなく、こうした個性派麺にも脚光を浴びさせてほしいところ。

拡大している市場だからこそ、新たな切り口で更なるファンを獲得すべく、メーカーもお店も工夫をしてほしいと思います。