2010年09月18日

“癒し”をおしゃれに伝えるATEXの売り場づくり

tapping_1.jpg
 
こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、健康器具などの開発・製造メーカー「ATEX」の展示会にお邪魔し、この秋に発売される新製品を中心とした健康家電の取材をさせていただきました。健康家電の製品の特長については、「Sallyの家電研究室」(http://kaden.k-sally.jp)のほうでご紹介していますが、こちらでは商品開発や売り場づくりで注目すべき点についてお話させていただこうと思います。
 
というのも、「理美容・健康」という分野は、ここ数年、“癒し”というキーワードとともに見逃せないものとなっています。家電量販店や東急ハンズ、雑貨店などでも売り場の面積を徐々に広げ、力を入れていることがよくわかるのですが、「家電量販店」の場合、女性への訴求力には今一つ欠けているような気がします。
 
そんな折、ATEXの展示会での商品の見せ方や女性視点での企画・開発力には目を見張るものがありました。たとえば、冒頭の画像ですが、肩に乗せて使うタイプの「タッピング・マッサージャー」という商品を展示するのに、まるでオーバドゥー(フランスの高級ランジェリー)を着せたくなるようなワイヤートルソーを使い、オシャレ感をアピール。これまでシニア層向けの健康器具だと思われていた「タッピング・マッサージャー」を、30〜40代の女性たちにこそ使ってほしいという開発者の思いを、商品展示にも具現化しています。
 
もちろん、商品のデザインやカラーそのものも、あえて装飾をはずしてシンプルにする代わりに、縫い目にカラーをほどこしてキルティングするなど、細部へのこだわりが見えます。ただ、どんなに思いのこもった商品でも「これは何?」「素敵!」と思わせなければ、興味をもってもらうという商品購入の第1歩にはつながりません。
 
その点で、このワイヤートルソーを使った展示は、アパレル系の見せ方を上手に使ったお手本といえるのではないでしょうか。
 

tapping_3.jpg
 
展示会でのいわゆるバイヤー向けの展示だけでなく、実際の売り場での展示についても商品の入った箱を横積みに「する際に、持ち手を鏡台の引き出しの取っ手に見立て、什器全体を鏡台に見せるという“仕掛け”を考えているといいます。
 
マッサージに行く時間のない30〜40代の女性たちに満足のいく商品を開発し、買い求めやすい価格(1万円程度)設定で販売したいという商品企画担当者の思いがそのまま売り場づくりにも反映しているのは見事! でもどうしてここまでできるのだろうと思って話を聞いてみると、すべて一貫した女性チームが担当しているからなのですね。
 
ATEXは元々、折りたたみベッドやマッサージチェアなどの寝具・健康器具を扱ってきたメーカーで、社員も男性がほとんどだったといいますが、近年、女性の視点を取り入れ、女性にも使いやすいものをという点に重点を置き、女性社員の意見を積極的に採用して成功しているとのこと。すでに50万台も販売したマッサージクッションにも細部にまで「女性が心を惹かれるこだわり」が反映されており、それが、結局は若い女性だけでなく男性にもシニア層にも受け入れられいてる…という点が興味深いです。
 
 
次々に開発される女性視点での癒しの健康家電、それに合わせたインテリア性の高い売り場づくり。これからも目が離せないなと思います。
 
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この記事へのコメント
この商品にワイヤートルソーですか。
斬新でいいと思います。
見せ方一つでだいぶ変わりますよね。
Posted by 検索エンジン最適化 at 2010年09月30日 01:35
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