2012年09月22日

西友のKY TIMESのこと再び〜顧客に何を伝えるか

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

昨日(2012年9月20日付)の日経MJ14面、ご覧になりましたか? 私が先月ここで取り上げた西友の新聞風のチラシ、「KY TIMES」のことが大々的に取り上げられていました。

単純に読み物として読者の関心を呼ぶ紙面構成にこだわっていることや、1面から終面までのページの流れの仕組みなど、私の気づきと同じことが書かれていて、「ほほー、私も先見の明があったなあ」とにんまりした次第です。

でも、さすが日経MJですから、ちゃんと西友の広告宣伝部のシニア・ダイレクターの方に取材をしており、紙面のカラーについても触れていました。私は黄色と赤の配色のものがなくなってしまったのだと勘違いしていましたが、これは食品が中心の場合で、住居雑貨や衣料が中心の場合には、先日ご紹介したように白地に青を配色して落ち着いた感じに見せているようです。

2011年9月に始めた(つまり、ちょうど1年前ですね)KYタイムスですが、約700万部を月に1回配付。紙媒体の宣伝費はチラシだった2008年に比べ、45%も減ったといいます。一方、KYタイムス見た人はチラシの時よりも10%以上アップしているという調査結果が出ているそう。独自性を評価し、“興味をひかれた”人も全体の72%にも。

MJで、山根清志記者も「値下げ競争に陥りがちな商品と価格ばかりのチラシを見直し、顧客に季節ごとの暮らし方や新しい生活のアイデアをじっくり伝える工夫はほかのツールでも実践できるはず」と結んでいます。

本当にそのとおり。何も手間のかかる新聞を作ることが素晴らしいのではなく、お店の姿勢を伝えられるような、捨ててしまわずとっておきたくなるようなチラシを作ったり、店頭のPOPで伝えたり、さらにはネットショップでのページづくりを考えたり。“伝える工夫”、まだまだきっとあります。

これぞコト提案〜西友の「KY TIMES」が面白い!: 神原サリーの顧客視点マーケティング



2012年09月21日

“50歳から”のシニアブランド!?

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

ベビーブームの時に生まれた団塊の世代が定年を迎え、高齢者の人口比率がますます高まって、狙うは“シニア市場”だといわれています。私が専門としている家電分野もまたしかり、いわゆるディンクス等の高所得の少人数世帯に加え、子どもが巣立った後の夫婦二人世帯向けの「小さくて高機能”な家電が注目されています。

そして、またアンダーウェアやパジャマ、レッグファッションなどの繊維業界も、決して見過ごすことができないのが、このシニア市場なのです。「シニアのための下着」というと、たとえば新聞の全面広告などに見られる「漏らしても安心」「100CCまでしっかり吸収するから、旅行も楽しめます」などというものを思い浮かべる方が多いかもしれません。若い人から見たら、“介護される一歩手前”というイメージでしょうか。

ところが、まだそこまでは行かなくても、男性の場合、40代後半から50代になるとトイレに行った後の“切れが悪く”なり、スラックスへの染みが気になる・・・という人もだんだん増えてくるのだとか。

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また、体型も知らず知らずのうちに変化して、これまでのシャツでは何となく前身ごろの肩から胸のあたりにかけてシワが寄ってしまったりしてフィット感がなくなるのだそうですね。アンダーウェアがぴったりしていないと、必然的にワイシャツを着た際にもパリッとした風に見えず、姿勢もよくないように見えてしまうといいます。

そんな体型の変化や、トイレの後のちょっとした悩みに応えるべく誕生したのが、グンゼの「GRANDFIT(グランフィット)」というブランド。

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化粧品などもそうですが、これまで女性向けには年代向けに「〇歳からの」というような打ち出し方をした商品が多く出ており、ターゲットをしぼって、機能などをはっきりとわかりやすく謳っていますが、実は男性向けにはそうした商品というのはほとんど存在しません。

案外、男性のほうがプライドが高くて、年齢をはっきりと打ち出されるのがきらいなのかもしれません。

というわけでグンゼが今回、新ブランド「グランフィット」について、“50歳からの”とはっきり示しているのは、大きなチャレンジなのです。

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よく見ると、このように「尿じみ対応」「はっ水加工」「表面へのしみを防止」などのPOPも見られ、「実はみんな悩んでいるんですよ」ということを説明しています。

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先ほど例に挙げたような、いかにも老人向けという下着を通販などで買うところまではいっていないけれど、ひそかに悩んでいたことが解決されたらうれしい・・・というところに着目。デザインも白や黒のブリーフだけではなく、ストライプ柄のカラフルなものも用意されていて、いいなと思います。

それに、こんなふうに説明しておいてくれたら、だんなさんの下着を買いに行った奥さんも「困っているかどうかはわからないけれど、試しに買ってみたら喜ばれるかも」と選ぶかもしれません。

「これは、あなたのために考えたものですよ」ということがしっかりと伝わることって大切ですよね。

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とはいえ、「50歳からの」と打ち出していながら「新・シニアブランド」と名打っているのはちょっとどうかなとも思うのです。だって、50歳の人が「シニアブランド」ということに納得すると思います?

このあたり、「熟年」「壮年」あたりにも通じることですが、何かほかにいい言葉ないかなあと思います。まあ、冒頭の画像に書いてある「新・シニアブランド」というのは、展示会での説明パネルなので、あくまでも業界の内輪向けの話で、顧客に向けて「50歳からの新・シニアブランドです」とは言わないとは思うのですが。

いずれにしても、加齢による悩みに応えるべく機能性は高めつつも、デザイン性は損なわないおしゃれなもの・・・というのは、このようにアンダーウェアの世界にも続々登場してきているのです。今回は男性向けのものに着目しましたが、もっともっと進んでいる女性向けの下着の現状についても、またあらためてご紹介したいと思います。



2012年08月29日

『日本でいちばん楽しそうな社員たち』〜来店リピート率82%、利益率41%のひみつ

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日本でいちばん楽しそうな社員たち

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、TKCが発行する「戦略経営者」という中小企業向けのビジネス&マーケティング誌のインタビュー取材を受ける機会がありました。掲載は10月号だそうですが、見本誌としていただいた8月号の「今月の1冊」というコーナーに紹介されていた「日本でいちばん楽しそうな社員たち」(佐藤勝人著・アスコム発行)に心引かれ、さっそくAmazonで注文してみました。

そのおもしろいことといったら! 読み始めたら止まりません。だって、著者である佐藤勝人氏が代表取締役専務を務める「サトーカメラ」では、接客に2時間3時間かけるのも当たり前。6時間ということだってある“非効率さ”。それなのに来客リピート率82%、利益率41%なのですよ。栃木県のカメラ販売シェアは並いる大手家電量販店・カメラ系量販店を引き離して、15年連続ナンバー1。デジタル一眼レフカメラの販売シェアは60%以上にも達するというのですから、すごいではありませんか。

大手のターゲットは、栃木県の人口の10%程度である「カメラを買いたい、興味のある」・・・という人たちだけれど、サトーカメラはカメラに興味のない90%をもターゲットとしてお客さんの『想い出を一生キレイに残すために』をモットーに、接客にあたります。まずはカメラプリントに興味を持ってもらい、1枚1枚の写真を通じて会話を広げ、カメラへの興味へとつなげるやり方は本当に手間がかかりそうにも思います。

でも、タイトルにあるようにサトーカメラの社員さんたちは誰もが本当に楽しそうなのですよね。そこに感動があります。読んでいて、顧客からの苦情電話などに5〜6時間かけるのも当たり前という「ザッポス」のことを思い出しました。

効率化を求める世の中、そして「売れる」ための仕掛けを考えるのが当たり前の世の中・・・その中でサトーカメラで実践されている「売ることの楽しさ」を教えるという話は、本当に心に響きました。

ぜひぜひ、多くの人に読んでほしい1冊だと思います。



2012年08月20日

「もしもの備え」を自分のためでなく、“大切な人に贈る”という提案

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、原宿方面に取材に行く機会がありました。予定よりも早めに着いたので、すぐ近くにあった「無印良品」のお店へ。夏のSALEも終わりに近づいて、魅力ある品が破格の値になっていたのですが、仕事の途中で買い物をするわけにもいかず、残念な気持ちいっぱいで見送りました。そろそろ時間かな・・・と思って取材先に向かおうとした時、お店の片隅にあったパンフレットが目に入り、思わず手にとって、そのままバッグに入れて持ち帰りました。

無印良品の「ITSUMO MOSHIMO」は、「もしもに備えることは、ふだんのくらしを見つめ直すこと」であり、「備えは日常の中にある」として昨年に提唱され、大きな注目を浴びました。そんな「いつも もしも」が2012年に提案しているのは、なんと「大切な人にもしもの備えを贈る」ということ。もちろん、すでに自分の備えはできているはずだから・・・という大前提があるわけですが、「備えを贈る」という発想、素晴らしいではありませんか。

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このA4に折り畳まれたパンフレットを開くと、「15のもしもの知識」が登場します。これは、すべて「いつもの身の回りのものが、もしもの備えになるのですよ」という啓蒙。

最近ちょっと気になる「丁寧に暮らす」という言葉にも通じるものがあります。

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そしてすべてを開いてみると(A4×8枚分の大きさ)、そこには「10のもしもの贈り物」が提案されているのですよね。

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例えば、こんな提案もあります。「同僚から、独立した新人デザイナーへ」

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定番かもしれませんが、「実家の両親へ」というものも。

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ここですごいなと思うのは、こうしたものを「セットにして売っているのではない」ということ。両親の顔を思い浮かべながら、いつもの暮らしに役立つような身の回りのあれこれを選んでみてはどうでしょう?と書かれていて、写真はあくまで参考の品。でも、下着や流せるエチケットシート、歯磨きセットやウェットティシューなど、チェックしてみていくうちに、「なるほど、こんなものがあると役立ちそうだな」という気持ちにさせられます。

母から1人暮らしの息子に贈るセットは、キャスター付きのストッカーに入れて贈る食料品のあれこれ。「食べたら補充しておくことで、もしもの備えになりますよ」というのは、目からウロコの提案だと思いました。こういうことは、自分の家ではやってあっても、「大切な人への贈り物に」なんてなかなか考えられません。

先日、家電関連の製品で「防災用品」にもなりそうなものをご紹介いただきました。こうしたものも、ただ「これがあれば便利ですね」ではなくて、自分が便利に使うだけでなく、「大切な人にプレゼントしてはどうでしょう」と提案するだけで、きらりと光って見えるように思いました。

この提案、ネットストアでも行われています。

大切なあの人に贈る。「いつも」の品で「もしも」の備え。 | 無印良品ネットストア





2012年08月14日

P.G.C.D.〜創業者からの60通のメッセージと、それから。

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

今日は私が9年間愛用しているスキンケアメーカー「P.G.C.D.(ページェーセーデー)」の創業者、野田憲男氏のことを紹介したいと思います。実は、このことについては、すでに私が毎月、原稿を執筆しているマーケティング専門誌「月刊アイエムプレス」にて掲載していますので、その時の文章をここに転載させていただきます。

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買収工作の危機を乗り越えた
化粧品メーカーのある取り組み


■社長が毎月送り続けた顧客へのメッセージ

毎月1日になると愛用している化粧品メーカー「P.G.C.D.」の代表取締役社長・野田憲男氏から「ご挨拶」と題したメールが届くようになって5年になる。毎回、1500字近くの長文で季節の挨拶から始まり、新入社員のエピソードや雇用の話、経済の話し、日々の思いなど多岐にわたり、特段商品のアピールをするわけでもない。届き始めた当初は、社長からのメッセージの体裁をとった新しい手法のメールマガジンで、きっとゴーストライターのような専門の書き手がいるのではないかと勘ぐっていたこともある。だが、とりとめのないようでいて、経営理念がしっかりと反映され、社員の一人ひとりを温かくそして厳しく見つめている様子が伝わってくる“社長からの手紙”に、「これは本当に野田氏からの顧客に対するメッセージなのだ」と確信し、いつか心待ちにするようになっていった。
 

■創業10年目に起こった買収工作で出荷停止に

(株)ペー・ジェー・セー・デー・ロジは、前身の(株)ペー・ジェー・セー・デーとして1999年に創業したスキンケアメーカーだ。フランス産の原材料にこだわった洗顔用石けんと美容液、日焼け止め用美容液などを「P.G.C.D.」というブランド名で発売、2ステップのシンプルなスキンケアを提唱し、“ファンデーション不要の素肌美”をコンセプトにしている。インターネットのみでの販売は現在では当たり前になっているが、テレビも新聞も使わずに専用のウェブサイトだけで行うのは当時としてはまだ新しい試みだったといえるだろう。その後、渋谷に自社ビルを建設し、サロンも併設。スキンケア講座を行うなど順調に顧客を増やし、約10年後の2008年3月期には年商18億にまで成長している。

ところが2009年12月、突然の買収工作のため出荷ができない状態となり、約2か月間、同社のサイトにはすべての商品が「欠品」と表示されることになったのだ。買収工作への対抗策として第2会社を設立。これが現在のペー・ジェー・セー・デー・ロジであり、新生「P.G.C.D.」となってから丸2年が経つ。出荷停止となってから2か月目に石けんの発売が再開されたものの、すべての製品がそろったのはそれからさらに7か月後のこと。かなり多くの顧客を失ったことは想像に難くない。 だが、同社は2011年の「Yahoo!BEAUTYあなたが選ぶ通販コスメ大賞」にノミネートされたすべての部門に入賞を果たすなど大きな支持を得て、復活を遂げている。

■トップのキャラクターこそが“ブランド”

月1回の社長からのメッセージは、こうした買収工作というアクシデントの3年前から始まっており、欠品のさなかにはタイトルが「お詫びとご挨拶」と変わりながらも、同社の状況や製品づくりへの思いなどが、相も変らぬ長文で届けられていた。当時のメールを振り返ると「この時期にお叱りに混じってお寄せいただいたお心使い改めてお礼申し上げます。直筆のお便り、お花、さりげなく同封いただいた示唆溢れる書籍。お客様との心の通い合いを宇宙のエネルギーのように感じたものでした。この世には善が溢れています。」とある。同社の製品を愛用している人が自分で使うために一日も早い出荷を願ったというだけでなく、その企業そのものを愛し、応援している様子が伝わってくる。

企業トップの生の声を届けることでブランドの個性を磨きたいと、月に一度メールを定期的に送ってきたという野田氏。今では企業経営の悩みを相談するメールが来たり、子育てに関して父親の役割について質問されたりとビジネスを超えた信頼関係を築きあげており、“トップのキャラクターこそがブランド”だと実感しているという。これはツイッターやフェイスブックなどのSNSの原型ともいえる形なのではないだろうか。4月からは双方向でのコミュニティの質を高めるべくステップアップを図ると聞いてわくわくしている。

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こうしてこの春、60通目をもって「社長からのメッセージ」は一旦終了したのですが、2か月後の6月に希望者を募って再開されています。実はすでに64歳になられるという野田氏は、この4月から社長の座を息子に譲ったのでした。その後、どんな形でコミュニケーションを再開するかについてはずいぶん話し合いがもたれたようですが、野田氏からのメッセージは、これまでどおりの「メール」という形で残すのが一番ではないかと。

同社はWEBサイトも刷新され、新たな息吹を得て、さらに飛躍しようとしています。

私自身が9年間も愛用しているのは、ものづくりへの姿勢や顧客へ真摯な対応というのもありますが、「ファンデーション不要の素肌美」を目指すというコンセプトが気に入っているから。それに肌にも合っているのでしょう。ここ1〜2年、テレビや雑誌などへの出演が増え、収録や撮影時にはどうしてもファンデーションを塗らないといけないために、なかなか“素肌美”をお見せすることができないのですが(笑)、普段の打ち合わせ等では「ポイントメイクのみでファンデーションなし」の姿勢を貫いています。

こんなP.G.C.D.の誕生に至るまでのストーリーについては、野田さんご自身が2006年1月31日〜12月29日の1年間かけて、ブログに綴っていますのご興味がある方はぜひ。

P.G.C.D. STORY:




 

2012年08月13日

“東北福興弁当”のお品書きと、あぶくま食品の「若桃の甘露煮」と。

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先週、出張で久しぶりに仙台を訪れました。お手伝いしていた某製薬会社の会員向け冊子の仕事や、売り場作りのアドバイスの仕事で、足しげく通っていたこともある仙台や石巻の街。震災以前に仕事が終わっており、震災以降もなかなか足を運ぶきっかけがなかったのですが、今回、3年ぶりの再訪となりました。

学ぶことが多く、実りの多い出張を終え、帰りの新幹線での昼食にと仙台駅で買い求めたのが「東北福興弁当」。“みちのくのおいしいを集めました。”というキャッチフレーズに惹かれたこと、少しでも復興のお手伝いになればと思ったのですが、おいしさだけでない思わぬ気づきがたくさん詰まったお弁当でした。

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包みを開けると出てきたのは、「お品書き」。よくあるのは、献立表のように文字だけで書かれたものですが、こえれはお弁当の写真がまん中に配置され、その1つ1つの説明が吹き出しで書かれています。

1つ口に入れるたびに、「これはどこの何という名産なのだろう?」と照らし合わせたくなるのが人情というもの。「秋田県産“比内地鶏”の煮卵」とか「青森県産さめフライ」「山型庄内浜産さわらの“つや姫”麹醤油漬焼き」など、どれもこれも滋味あふれるものばかり。

肝心のお弁当そのものの写真を撮るのも忘れて、無心になってお品書きを確かめつつ、ひたすらお弁当を味わいました。

で、このお品書きが素晴らしいのは、これだけじゃないんですね。実はここからが重要ポイント。

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何気なく裏を返してみると、そこには「東北福興弁当に盛り込まれた、東北各地の素材と食産業事業者のご紹介」とあり、表のお品書きに☆が付けられたお料理の名前と、それらを提供している業者さんの名前が書かれているではありませんか。

つまり、「これ、おいしいな」「おっ、今度、うちでもこの食品を使ってみようか」と思ったら、ちゃんと連絡が取れるように配慮してあるのですね。これこそ「福興ならぬ復興のお手伝い」ではありませんか。

この「東北福興弁当」は、中小機構東北の協力を得て、日本レストランエンタプライズが製造・販売しているものですが、大変素晴らしい試みだと思いました。

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中でも私が「これはおいしい!でも、何だろう?初めての味だけれど」と心を惹かれたのは、あぶくま食品さんの「福島県産若桃の甘露煮」でした。

気になって調べてみたら、この「若桃の甘露煮」というのは、漬物製造会社のあぶくま食品が福島大学などとの共同で開発したもので、今から3年前の2009年から発売されているようです。これまで捨てられてしまうことの多かった若桃を活用して、全国2位の桃の産地である福島県の新たな食材として広めていこうとしたものなのですね。

直径3センチメートル前後の小さな青い桃を加熱して自然な甘みを生かして種まで食べられるように仕上げられており、ほんのり甘く、香りも上品で本当に美味。特にお弁当の箸やすめ的な役割として光っているなあと思いました。

私は福島が桃の産地だということさえ、あまり知らなくてお恥ずかしい限りですが、今回のお弁当での出逢いをきっかけに少しでも多くの人に知ってもらうお手伝いができたらと勝手に思っています。

検索したところ、あぶくま食品産の「若桃の甘露煮」にかける情熱を記したブログも発見しましたので、ご紹介します。

あぶくま食品株式会社若桃の甘露煮へのこだわり|もったいないから生まれます。

2012年08月07日

粗利益率38.9%、「でんかのヤマグチ」の見える化とは?

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

日経トップリーダー8月号の特集は「業務向上の切り札 見える化大作戦」。中でも目を引いたのが、町田市の家電販売店「でんかのヤマグチ」の社長、山口勉氏へのインタビュー。メーカー、流通共に、家電業界の不振が伝えられる中で、「でんかのヤマグチ」の2011年3月期の売上高は約13億円。粗利益率は38.9%という高収益。安売りをしないかわりに、地道な訪問営業を重ね、電球1個でも取り付けにいくなど、地域密着型の家電店として業界内だけでなく、経営者たちの間でも広く知られるお店です。

さて、その「でんかのヤマグチ」が行っている「見える化」とは? それは毎日粗利益率を表に手で書き込み、過去と比較しながらすぐに対策を打つことだといいます。サッカーやバレーなどの監督と同じように、山口社長自らが、一番最初に結果を見てショックを受けたり、喜んだりすることで社員全体の気持ちを1つにしていくのだといいます。

出張先でもFAXで報告させて常に把握しておくといいますから、さすがです。経営の状態を常に「見える」ようにしておくことこそが、経営者として最も大事なことなのですね。

とはいえ、私自身がインタビューを読んで最も心に残ったのは、こうした数字のことではないのです。私も一経営者でもありますが、残念ながらというか、恥ずかしながら数字には弱いほうで、どれだけお役立てるような仕事ができたかどうかなど、自分自身の充実度や達成感のようなものを優先してしまうんですよね。

そんな私の心をとらえたのは、「でんかのヤマグチ」が最近最も力を入れているという「顧客の見える化」ということ。顧客がどんな家電をいつ買ったのかがわかれば、提案の幅が広がるからと、同店からの購入分だけでなく、営業担当者が訪問時に他社で購入した家電に気づけばそれを聞き出して顧客台帳に反映しているのだといいます。

今は大手家電量販店でもポイントカードなどの仕組みで、ある程度は購入履歴が把握できるかと思いますが、それを顧客への提案に使うまでには成熟していません。なくしてしまいがちな保証書も、購入履歴がわかれば一括で管理できるような仕組みがあればいいのにという声も聞きます。

必要としていないものの押し売りはいけませんが、そろそろメンテナンスが必要なころに訪問して、様子を聞く。やり方がわからないようなら、アドバイスしたり、手伝うなどして、部品交換が必要なものは用意する・・・そんな地味な1つ1つの行いが、顧客との信頼関係を生み、「ここで買えば安心」という気持ちを培うことができるのだと思います。

みんがネットで買うようになれば家電量販店も電器店もいらなくなるというような理論を持ちだす人も増えているようですが、本当にそうでしょうか。まだまだ家電量販店にもきっと打つ手があるはず。それはたぶん、こうした「顧客の見える化」あたりに鍵があるように思います。


2012年08月06日

これぞコト提案〜西友の「KY TIMES」が面白い!

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

以前から気になっていて、ぜひ書こうと思っていたのがSEIYU(西友)のチラシ「KY TIMES」のこと。チラシというより西友が発行するフリーペーパーと言ったほうがいいかもしれません。

8ページの構成でちゃんと目次もあるし、いわゆる“巻頭特集”では、「子どもの想像力をはぐくむ宮澤流プラレール」と題した企画が組まれています。宮澤雅文さんとは模型作家の方だそうで、業務用ジオラマ制作のほか、ジオラマ講師としても活躍していらっしゃいます。そんな宮澤さんにプラレールの魅力について語ってもらっているのですが、これが本当に楽しい! すでに成人してしまったわが家の子どもたちもプラレールでどんなに遊んだことでしょう。

いや、実は本当に楽しんだのは、大人たちだったりするのですよね。わが家の長男が2歳くらいのときに、家人の同僚2人が遊びに来て泊って帰ったことがあるのですが、その際にはまったのもプラレールでした。だって、レールや小物などがこれでは足りないと、わざわざ買いに行くほど熱中し、狭いアパートの部屋いっぱいにプラレールワールドを繰り広げたのですから。

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というように、子どもよりもたぶん父親が熱中すること間違いなしの「プラレール」を使ったジオラマ作り。これを読んだら、西友のおもちゃ売り場に行きたくなるに違いありません。紙面の下のほうには、アンパンマンやリカちゃんなど、プラレールには興味のない子どもに興味を持ってもらえるようなおもちゃ情報も載っています。

それにしてもすごいのは、プラレールの広告なんて、ほんの少しで、ひたすらジオラマ作りの楽しさについて展開されているのですよね。まさに「コト提案」。夏休みに、どこかに行かなくても、何だか楽しく過ごせるような気がしてくるところが素晴らしい。

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P4-5では、「イクメン」の方々の座談会(というか子育てオフ会)の様子が紹介されています。このあたりも、プラレールで遊んでばかりではなく、日頃の育児にも協力するのがかっこいいパパなのだと提案していて、世の中のママたちの気持ちを代弁していて素晴らしいです。最初からイクメンの話でなくて、プラレール→イクメンという流れが絶妙ですよね。

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続くページでファッション関係のセールの話が出てきて、ようやく西友のチラシっぽい感じになってきますが、それでも、「何をゲットした?」というの主題なので、思わず「何を買ったのだろう?」と目を凝らして読んでしまう仕掛けに。

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ファッションの隣のページの「今月の指名買い!」では、何と16インチのLED液槽テレビが9999円! オリンピックという言葉が使えないために「スポーツのビッグイベントもヒートアップする時期〜」と始まり、スタンド込みでも1.4kgと軽いので、キッチンや寝室など見たいところに気軽に運んで楽しめますよとセカンドテレビの便利さをアピールしています。

こういうふうに書かれたら、使っているシーンが目に浮かんで、「10000円を切る価格だし、うちにも1台買おうか」なんて思うパパや、「ねえ、キッチンでみられるなんていいわね」というママも出てきそうです。

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そして終面では「元気のもと」と題して、食の話題が。カラフルな食材を使った、ホットプレートでのスタミナ煮の提案とは、さすがです。

以前はこの「KY TIMES」、地の色が黄色い意表をつくものだったのですが、いつのまにか、普通のフリーペーパーっぽくなっていました。とはいえ、読むのが楽しくてとっておきたくなる点は変わりませんし、ある意味、目に優しくなったかも。

ちなみに、皆さんもすでにご存知かと思いますが、「KY」とは「空気を読めない」のではなく「カカクヤスク」を意味します。こんなフリーペーパー風でコト提案満載のチラシも、本家のウォルマートのものを継承しているのでしょうか?ウォルマートのチラシ、ちょっと気になります。


2012年07月30日

リビングに集まるからエアコンは一家に1台でOK?〜暮らし方の変化と家電を考える〜

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

今朝の日経MJの1面には「居間の今 ヒットのヒント」と題した興味深い記事が掲載されていました。スマートフォン、パソコン、iPhone、iPadと、一人1台の端末を持ちながら、テレビをつけたリビングで家族みんなが思い思いに過ごす・・・という昨今のリビングリームの役割に注目したものです。

子ども部屋も書斎も必要なく、情報端末を駆使しながら何となく集まって楽しんだり、勉強したりするという過ごし方が増えてきたことで、家具・家電・日用品の売れ筋にも変化が見られるというのですね。勉強も食事も同じリビングダイニングのソファで行うから勉強机は要らない。その代わり、リビングの一画に専用棚を設けてランドセルや教科書などを置くようにすれば便利という提案。

子ども部屋にこもるのを防ぐために、開放的なリビングで勉強をさせたりするという試みはずいぶん前から提唱されていたような気がします。それを一気に具現化させ、当たり前の日常へと変化させたのは、震災以降の節電や絆という意識の変化も見過ごせないのかもしれません。

記事にもありましたが、「情報端末のパーソナル化とモバイル化」というのもかなり大きい要因でしょう。たとえばわが家を振り返った場合(ずいぶん古い話になって恐縮ですが)、まだウィンドウズが登場する前のパソコンの時代、夫は仕事から帰宅後に何やらパソコンのある部屋にこもり、時折、大きな音のするプリンタで何かを印刷する様子に「鶴の恩返しの機織りみたいだ」と皮肉を言ったことがあります。その後もしばらくパソコンに熱中する夫に取り残された妻のことを指す言葉として「コンピュータ・ウィドウ(コンピュータ未亡人)」などという呼び名まで登場したほどです。

その後、ノートパソコンが普及し、携帯電話が当たり前になり、スマートフォンやiPadなどのタブレットも登場するようになって、「テレビを見ていて、気になったことがあったら、すぐにその場で調べる」などという風景も当たり前になりました。音楽だって情報端末に共有しているので、どこでも好きな曲を楽しむことができます。

ただ、今回の記事のまとめにもあったように、必ずしもこの傾向はいいことばかりではありません。特に、家電の需要については変化が見られるでしょうし、エアコンの需要についても見直すときが来たようにも思います。「エアコンや空気清浄機などが一家に1台から、1人に1台へと普及する可能性は裏切られる可能性が高まっている」と記事では言い切っていましたが、私自身はそこまで言い切るのはどうかなと思います。

つまり、これまで以上に「みんなが集うリビング向けエアコン」と、寝室として使うことが増える「個室向けエアコン」のはっきりとした差別化を打ち出すことで、「これなら欲しい」と思わせることができるのではないかと思うのです。これはエアコンだけでなく、LEDシーリングライトなどの“あかり”についても同じこと。すでにパナソニックからは4つの生活シーンに応じてあかりの質を変えられるシーリングライトが登場していて、その1つには「子どもの勉強用」というものも入っています。

一方、シャープのさくら色LEDシーリングライトのように、目が疲れにくく、就寝前の1時間程度、過ごすことで快眠を期待できる「さくら色」のあかりを提案しているものもあり、明確な生活シーンが思い浮かべられて購入のきっかけになりそうです。就寝前までリビングで家族と過ごす時間が増えたのなら、個室の役割は必然的に「ねむり」(&リラックス)に絞られてきます。

これまで、フラグシップモデルの「省エネ性」「快適性」ばかりがアピールされてきたエアコンですが、今後は価格をぐっと抑えながらも、寝室にぴったりの要素を盛り込んだエアコンを訴求していくことで、まだまだ新規(もしくは買い替え)の需要が見込めることでしょう。

また、今回の記事ではあくまでも「子どものいるファミリー層」にターゲットをしぼったテーマですが、その一方でますます増えているのが「少人数」の世帯。たとえ、家族と暮らしていても、すでに成人して働いているのなら、残業して遅くに帰宅し、一人で食事をとるという「家庭内での1人暮らし」的な要素も見逃せません。そこに求められるものも少なからずあることでしょう。

目を凝らして、耳を澄まして、時代の変化を感じていくことが必要なのだとあらためて思います。


2012年01月31日

グンゼの新ブランド「Mirica」〜脚元のオシャレも原点回帰

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

明日、2月1日にグンゼからレッグウェアの新ブランド「Mirica(ミリカ)」がデビューします。先週、そのお披露目となる記者発表会に行ってきました。ミリカのターゲットはズバリ、学生や20代前半のヤング層。彼女たちにパンストの魅力を知ってもらおうと立ち上がったブランドです。

ここ数年、女性たちの脚元はレギンスやトレンカ、厚手のタイツが主流。こうしたレッグウェアか、さもなければ、生足にブーツなどパンストユーザーが激減していました。

ところが、昨年あたりから、ミニスカートやショートパンツなどのミニボトム、フェミニンなワンピースに合わせてプレーンなパンストを履く現象が起き始めているのですね。

ただし、彼女たちはパンストという呼び方を知らず、『薄くて透明なタイツ』などと表現しているのだとか。

生足でなく、こうした『薄くて透明なタイツ』を履くようになった理由 は、履いたほうが脚がきれいに見えるから。

そんな流れを受けて登場したのが、この「ミリカ」。履いたほうがきれい…ということをグンゼでは「コスメのように脚元メイク」とし、コスメやネイルのように気分に合わせて選ぶ新しいレッグウェアの価値観を提案したいとしています。

ここで思うのは、昨年から家電製品にも見られる『原点回帰』という風潮。パンストが世の中に広まった理由は、まるで素足のようでいながら、脚をきれいに見せてくれるから。それが、だんだん会社の制服やスーツのときに履く、堅苦しくてダサいもの…みたいなイメージに変わってきてしまったのですよね。

タイツやレギンスしか知らず、ミニスカートには生足だった彼女たちが、脚を引き締めてみせたり、ファンデーションをつけたように薄くベールをかぶせ、キラキラと輝いて見えるストッキングのオシャレに目覚めたのは、まさに『原点回帰』と言っていいのではないでしょうか。

takei_emi.JPG今回、イメージキャラクターには武井咲さんを起用し、自然体の美しさとターゲットである女性たちとの同世代感を印象づけています。


これまでグンゼのレッグウェアのブランドといえば、神田うのちゃんオンリーという感じでしたが、ミリカで刷新し、新たな顧客を発掘していくのではと期待されます。


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おしゃれは脚元から…とはよく言われること。

この春から若い女性たちの伸びやかで美しい脚が、街をかっ歩するのではと楽しみです。

2012年01月22日

“ホテル”でお試し♪

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

最近は新幹線を使うにしても飛行機を使うにしても、国内出張の場合はたとえ九州であっても日帰りということがほとんどになってしまいましたが、翌日のスケジュールが許すならば、できればその土地のおいしいごはんやお酒を楽しんでゆっくりしたいもの。

昨年、某所へ出張の際に宿泊したホテルは、比較的新しいこともあってか、随所におもしろい試みがされていて心に残りました。たとえば、ソファの上にはマッサージクッションが置かれ、「どうぞ旅の疲れをとるのにお役立てください」というメッセージが。“ルルド”といえば、マッサージクッションのことを思い浮かべる人も多いくらいの人気商品。私はすでに家で愛用している品ではありましたが、大感激して使わせていただきました。

「何だか気になっているものだけれど、買う勇気がない。本当にいいものなの?」と思っている人にとって、店頭などのオープンな空間でないところでじっくり使ってみることが出来る“ホテル”という空間はまさに最適の場所。こうした地道な取り組みが、今回の爆発的なヒットにつながったのではないかと納得したのでした。

よく加湿器が置いてあったり、フロントに言うと持ってきてくれたりもしますが、そうした必需品とは違うもので「でも、あったらうれしく、試せたらうれしいもの」というのがポイントですよね。

そのほか、いわゆる必需品に入るかもしれませんが、クローゼットの中には衣類の消臭・除菌効果のある「リセッシュ」がホルダーに吊るしてあって、これも心憎いサービスだなと思いました。1日中、着ていたジャケットなどは汗のニオイが気になるもの。食事をした場所によっては焼き物や揚げ物のニオイが染みついてしまうこともあります。

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しかも出先の場合、着替えの枚数も少ないですし、ジャケットなどが明日また着なくてはならないことも多いから、こうした除菌・消臭スプレーが置いてあったら本当に助かります。

そうそう、わが家で愛用している衣類のしわとり用の「ハンドスチーマー」なども、ホテルに置いてあったら大活躍しそうです。まだまだ“ホテルでお試し”したら喜ばれそうなもの(=しかも購入に結びつきそうなもの)、たくさんありそうですね。

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2012年01月19日

美人の入口、こちらです。

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

昨日、久しぶりに記事にした「ペットボトルの白湯」については、いろいろな方から反響があり、うれしく思いました。「それは難しいだろう。売れないだろう」という意見あり、「待ってました!」という意見あり。一度、世の中に登場し、その時には売れ行きが芳しくなかったものでも、時期を見て違うアプローチで再び世に出すことで日の目を浴びることもあります。それに、これからはマスではなく、ニッチなニーズに応えていくほうが確実なのではないでしょうか。

さて、今日は昨日「Salllyの家電研究室」のほうでも話題にした活動量計のこと。活動量計というのは、まだまだ歴史の浅いもので、タニタが2009年に一般向けの手軽なものを出してから、パナソニックやタニタ、テルモなども参入して市場が広がってきています。先陣を切ったタニタでは昨年の夏に「カロリズムレディ」という女性向けの製品を出し、「モバビュー(モバイルビューティー)の1つ」として位置付けているなど、ダイエットを目指す女性にターゲットをしぼったものにも人気が出始めました。

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そんななか、昨年11月にオムロンから発売されたのが「カロリスキャンHJA-310」という女性向けの活動量計です。ごらんのとおりのパッケージでまるでチョコレートやキャンディでも入っているようなデザイン。価格も活動量計の中では3000円程度と安価に設定し、初期設定や操作ボタンなど初心者でも使いやすいようにという配慮が行き届いています。

他社製品とは縦方向の画面設定など本体そのものも魅力的ではあるのですが、私の心をとらえたのは同梱されていた小さなシート。冒頭の画像のように、パッケージ内に収まるように蛇腹に折り畳まれて入っていたのですが、そこには「omron式美人始まります」とあります。

何だろうと広げてみるとそこにはこんなメッセージが書かれていました。

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知ることから、美人になる。

まずカラダの構造を知る。
そして体の状況を、測って、知る。
知れば安心。何をどうすればよいか、わかりますもの。

たとえば、CaloriScanを使うあなたの場合、
スタート前に理想体重を知りましょう。

標準体重=身長(m)×身長(m)×22
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

今のあなた [  ]kg BMI[  ]
目標のあなた[  ]kg BMI[  ]

美人の入り口、こちらです。
http://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/

それではみなさま、
美も健康もちょうどよく。



まずは自分の現在の体の状態について「知る」ことから始め、上手に活動量計を使って理想体重を目指しながら“美人”になることを促しています。

単に「オムロンの健康情報サイトはこちらです」とするだけでは丸めて捨てられてしまうかもしれないメッセージ。それを「美人の入り口、こちらです。」として上手にサイトに誘導しています。

オムロン式美人はじまります

今現在は、このサイトは少しずつ内容を充実させていっている段階のようですが、親しみやすくわかりやすい表現で若い女性にも更年期を迎える時期の女性にも単にやせることだけでない「健康」について情報発信をしています。

聞けば、この女性向け活動量計は、オムロン初の女性チームが商品企画・開発に携わったのだとか。女性が途中で挫折しないで楽しくダイエットを続けていけるようにと細部まで考えられた「カロリスキャンHJA-310」。次なる製品はもちろんのこと、今後のさらなるサイトの充実に期待がかかります。






2012年01月18日

ペットボトルの白湯があったなら。

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白湯毒だし健康法 (PHP文庫)

こちらのブログは本当にご無沙汰してしまいました。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

昨年の1月から「白湯を飲むこと」を習慣づけるようになって早1年になります。朝起きて水を飲むという人もいますが、私はお湯を沸かしてそれをゆっくりと飲むことから始めます。一時、ミネラルウォーターを飲んでいたこともありましたが、冷たい水は何だか胃も腸もびっくりするようであまり心地よい感じがしません。かといって、朝のすきっ腹にコーヒーというのも(本当はコーヒー好きですが)、刺激が強いように思うようになり、何かよい飲み物はないかと思ったいた時に出合ったのが「白湯毒だし健康法 」という本だったのです。

誰かに無理強いするつもりはありませんが、白湯を飲むことで腸の中がきれいになるということですし、体調によって白湯の味が変わって感じられるので、自分の健康状態のバロメーターにもなるなと思って続けています。

で、この白湯ですが、朝だけではなくてちょっと疲れたときの飲み物にもぴったりなんですよね。自宅やオフィスならお湯を沸かせばすむことですが、コンビニや自動販売機でも買えるように「ペットボトルの白湯」(ホットミネラルウォーター)があればいいのになと思うのです。

それで調べてみたところ、2007年の秋に伊藤園から「あたたかい天然水」というものが発売されていたのですね。

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当時のニュースリリースにはこんなふうに書かれています。

秋冬期の寒さ対策や、サプリメントや薬を飲む際など、さまざまなシーンで多岐にわたる用途が期待できる「あたたかい天然水」を10月1日から発売する。ミネラルなどの調整を一切していない、自然のままのナチュラルミネラルウォーターで、銘水として名高い長野県安曇野で採水した天然水を使用。「あたたかい天然水」は、ミネラルウォーター市場に投入する、新しい価値を付加したホット対応ペットボトル飲料(ホットペット飲料)となる。

ミネラルウォーター市場は、ここ10年間で3倍近くにまで拡大し、清涼飲料市場の中でも際立った成長カテゴリーだ。季節を問わず、水分補給や薬の服用、ミネラル補給など、さまざまなシチュエーションや目的に合わせて利用する習慣が定着してきていると指摘する。

新商品の「あたたかい天然水」は、クセがなく、ミネラル成分がバランス良く含まれている銘水として人気の高い、長野県安曇野市で採水された軟水を使用したホットペット飲料。硬度21mg/Lの軟水は、温めてもミネラル分が浮遊することなく、おいしく飲用できるという。自動販売機やコンビニエンスストアのみならず、サプリメントや薬などと連動した売り場づくりが可能なドラックストアなど、多岐にわたる販売展開が期待できる。

※詳細はこちら
「あたたかい天然水」10月1日(月)より販売開始 | ニュースリリース一覧 | 伊藤園

サプリメントや薬などと連動した売り場づくりが可能なドラッグストアなどでの販売。まさにそのとおり!薬を飲みたいと思ったときに、冷たい水ではいやだなと思うことってありますものね。ところが、この「あたたかい天然水」、すでに2011年1月の時点で発売はされておらず、早々と販売打ち切りになったようなのです。

なんて残念! 時期尚早だったのか、販売店側で「売れるわけがない」と仕入れるところが少なかったのか、そのあたりの事情はわかりませんが、需要はけっこうあると思うのですけれどね。

白湯を飲む習慣を持っている人はけっこう多いようで、ツイッターなどでも「白湯をgkgk(ごくごく)」などいうつぶやきを見かけることがよくありますし、白湯健康法のほかにも白湯ダイエットなどいうのもあるようです。

伊藤園さん、「あたったかい天然水」の復活は無理なのでしょうか? それともどちらかの飲料メーカーさんで手掛けてくださるところはありませんか?





2011年05月03日

マーケティング情報誌「月刊アイ・エム・プレス」に執筆開始!

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

なんと5ヶ月もこちらのブログの更新ができていなくて、お恥ずかしい。2011年の幕開けとともに、毎月のようにテレビやラジオの仕事が入り、多忙をきわめていたら、3月11日の大震災。本当に目まぐるしく情勢が変わる日々でした。

そんな中、刊行以来、180号の発行を続ける老舗のマーケティング情報誌「月刊アイ・エム・プレス」の『Theふぉーかす』というコーナーに、4/25発行の2011年5月号より執筆を開始しています。月刊「アイ・エム・プレス」は、“顧客づくり=顧客の開発と維持”を支援することをモットーに、インターネット時代の顧客づくりを活性化すべく、企業に情報を届けている専門誌です。

私が担当しているのは、専門的なことというよりは、現在のトレンドなどを端的にとらえて発信するコーナー『Theふぉーかす』。このコーナーでは、金融、メーカー、小売、サービスの4つの分野を毎号取り上げていますが、主に私は「メーカー」を担当する予定です。

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5月号では、「“高機能でも使いやすく”消費者ニーズに合わせた家電」と題して、私の専門分野ともいえる家電メーカーの取り組みをレポートしています。ちなみに、次号では、繊維関連についての話題を取り上げています。

「メーカー」なので、あくまでもものづくりが基本ではありますが、今後はメーカーが取り組んでいる顧客とのコミュニケーションなど、より「アイ・エム・プレス」に則した話題を拾って執筆できるようにと考えています。

この「月刊アイ・エム・プレス」には、『ザッポスの奇跡』で知られる石塚しのぶ氏が『ソーシャル時代のカスタマー・リレーション』という連載記事を執筆されていますし、今号は緊急特集として「災害時の企業対応とコーズ・マーケティングの可能性」を取り上げており、読み応えたっぷり。

興味をもたれた方はぜひ、ご購読くださいませ。

★月刊「アイ・エム・プレス」 http://www.im-press.jp/


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2010年12月01日

「お掃除するのは、ルンバの仕事。〇〇するのは、あなたの仕事。」

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先週末くらいから、自動掃除機「ルンバ」の新しいCMが流れるようになりました。「天才!」とわが子を溺愛する両親の声と、思わず頬にさわりたくなるような可愛らしい赤ちゃん。その足元で、ルンバが黙々と掃除をしている様子が映し出されます。

そして…「お掃除するのは、ルンバの仕事。愛されるのは、あなたの仕事。」の文字。

これは「赤ちゃん篇」ですが、もう一つ「夫婦篇」もあって、かなりシビアな状況の様子。どうやら、夫の携帯電話を妻が見てしまったようで、「妹だよ妹」という夫の弁解に、「妹ならダーリンなんて呼ばないでしょ」と妻の冷たい言葉。そんな取り込み中の夫婦の足元では、先ほどの赤ちゃん篇同様にルンバが淡々と掃除をしているというシーンが流れるのです。

「お掃除するのは、ルンバの仕事。話し合うのはあなたの仕事。」


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どうやら、メインターゲットは30〜40代としているようで、子育てや仕事に忙しい人たちへの“時短家電”ということを、よりアピールしていこうというのが狙いなのですね。

これまで、主婦の嫌い(苦手)な家事といえば、1位:アイロン掛け、2位:掃除などと言われていました。どんなに便利で高機能な家電があったとしても、最終的には人間の手を借りて行わないとならない家事で、洗濯や炊飯のように“家電にまかせっきり”ということができないからというわけです。それを覆したのが、この自動掃除機「ルンバ」といえるでしょう。

今回のCMでも、掃除はルンバにまかせることで家事の時間を短縮し、その分、思いっきり子どもを可愛がったり、時には夫婦で話し合いをしたりと有効に使えますよと伝えています。ルンバの掃除機としての実力が認められ、普及率も高まってきたからこその、いわば第2段階ともいえるステップにきたのだとあらためて知らされた思いがします。

ルンバが2002年に日本に初めて登場した際には、「ルンバって本当にきれいになるの?」「部屋の中を片付けなくてはいけないし、広い家じゃないと意味ないのでは?」「おもちゃみたい」など、マイナーなイメージもずいぶんあり、その価格の高さと相俟って“新し物好きの特別な人たちの掃除機”という位置づけでした。

そんな風評を覆すべく、日本での発売当初は「お掃除ロボット・ルンバ」という名称だったのを「自動掃除機ルンバ」に変更。おもちゃっぽいイメージから、きっちりと掃除をしてくれる実力派の掃除機ということを訴求するようにし、モニターキャンペーン等を繰り返してじわじわと口コミでその便利さが伝わるようにじっくりと時間をかけてきたことが、2010年の大ブレイクと、さらなる訴求につながったのでしょう。

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★ルンバを開発した米国アイロボット社のこと

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ここでもう一つ、ルンバを開発した米国「アイロボット社」のことについて、少しご紹介したいと思います。アイロボット社は、マサチューセッツ工科大学の研究者らによって設立された会社で、今年創立20周年を迎えました。それを記念して、今年10月には、同社のCEOであるコリン・アングル氏が来日、外国人記者クラブで会見を行っています。

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私も出席しましたが、ここでの話でとても興味深かったのが、日本人は「ロボットというと二足歩行のものを考え、かっこいいものを作りたいと考えてしまうが、ロボットとは人間が必要としている作業をしてくれるものであり、研究やデモンストレーションだけでなく、売れるものを作って商品化しなければ意味がない」というものでした。

この20年の間に失敗を重ねながらも14のロボットを作り、ビジネスモデルを構築してきたアイロボット社ですが、現在北米の200ドル以上のクリーナー市場のうち、10%のシェアをルンバが占めるまでに成長してきたとのこと。「イスにぶつかってひっくり返ってしまう」「コードに絡まってしまって困る」というような、課題を解決しながら、消費者の役に立つ知能を持ったものにバージョンアップしてきたことが多くの支持を集めたのだと力説していました。研究者やロボットオタク(←こんな言い方をしていました)のものではなく、実際に使えるロボットでなければならないのだと。

「ハード、センサー、ソフト」の3つが重要なキーワードだが、これからのロボットはソフトウェアの開発に重点が置かれるだろうとも。

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アイロボット社は、軍事用の多目的作業ロボット「パックロボット」を作っており、爆弾処理などでも活躍しています。こうした技術や人工知能が自動掃除機ルンバにも生かされているのは、周知の事実。部屋中をくまなく、しかもエネルギー効率のよい掃除の仕方で行うという実力の裏付けにもなっています。

10月の外国人記者クラブでの会見も、便利な自動掃除機として認知度がかなり高まったルンバを、今一度技術の側面から見てもらうことで性能の高さをアピールするものだったのではないでしょうか。

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最後に、再びCMの話に戻りますが、子育て世代や共働き家庭に照準を当てた“時短家電”という位置づけも大変興味がありますが、私個人としては、今後シニア層や介護をしている人のいる家庭にも広めてほしいと思っています。腰をかがめたり、重い掃除機を引っ張って掃除機をかけるのが辛いという人たちにとって、ボタンを押すだけで掃除をしてくれるのは本当にありがたいことのはず。介護に追われる人にとっても、掃除の手間をルンバが引き受けてくれたら、どんなに助かることでしょう。

でも、まずは30〜40代の人たちに積極的に使ってもらい、それを見た“親世代”に広まっていく…という流れのほうが自然なのかもしれませんね。

2002年に日本に登場しながらも、一度消えかかっていたルンバに脚光を当て、時間をかけて広げてきた日本正規総代理店「セールス・オンデマンド社」の手腕は注目すべきものがあります。ルンバのさらなる人気上昇に火が付くでしょうか。期待がかかります。

(※INSIGHT NOW!に寄稿したものhttp://www.insightnow.jp/article/6084とほぼ同じ文を掲載しています)

2010年11月15日

粟飯原理咲さんとの5年ぶりの再会と、「朝時間.jp」の人気コーナーが生まれた理由と

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、「朝時間.jp」「おとりよせネット」「レシピブログ」「子育てスタイル」などの人気サイトを運営するアイランド株式会社の粟飯原理咲さんと5年ぶりにお目にかかってお食事をする機会に恵まれました。

粟飯原さんと初めてお目にかかったのは確か7年くらい前のフリーランスライター時代のこと。私が企画した特集記事のインタビュー取材でお世話になり、それから約2年後には私が企画・広報を務めていた(そんな時代もあったのです)会社のイベントで、私が司会&ファシリテーターとなり、粟飯原さんにはパネルディスカッションのパネラーとして出演していただいたのでした。

あれから早5年。ツイッターを通じて再会するといううれしいご縁があり、「どうしてどうして今、そうしたお仕事を!?」と質問攻めにあいながらも本当に楽しくお話させていただきました。

その際に、私が大好きなサイト「朝時間.jp」(http://www.asajikan.jp/)の中でも、特に好きなコーナー、「ワールドモーニングフォトクリップ」についての話題になりました。今でこそ、早起きして1日の始まりを有効に使う“朝時間”という言葉は当たり前のようになっていますし、朝に行う勉強会や朝活本も盛んですが、そのはしりが「朝時間.jp」というサイトだと思います。時代の空気を敏感に読み取り、オールアバウト等で培ったWEBコミュニケーションを巧みに具現化していく粟飯原さんの才覚は見事だなあと尊敬してしまいます。

さて、そんな「朝時間.jp」の人気コーナー「ワールドモーニングフォトクリップ」ですが、これは『今、この瞬間も世界のどこかの国で朝が始まっている。生まれたての朝をのぞいてみよう』をコンセプトに、世界の朝レポーター(46名)が、写真とともにメッセージを伝えてくれるというもの。海外の1日の始まりをおいしそうな朝ごはんや朝やけや何気なく切り取った日常の1シーンや風景は、見る人の気持ちをなごませてくれたり、元気づけてくれたりします。

「私、本当に大好きなんですよね、あのコーナー」という私の言葉に、粟飯原さんはこんな話をしてくれました。

「谷川俊太郎さんの詩に『朝のリレー』というのがあって、とても大好きなんです。そうしたら、会社のスタッフにもやっぱりこの詩が大好きな人がいて、この詩の世界観をWEBで実現できたらいいね…ということになったの。この地球ではいつもどこかで朝が始まっている…という印象的なフレーズがあるのだけれど」

そうか、そうかそうだったのかと何だか胸がいっぱいになりながら、粟飯原さんの言葉をかみしめながら聞いたのでした。現在は海外にいる日本人のレポーターによるメッセージとなっていますが、本当はその国の人に現地の言葉(もしくは英語)でメッセージを送ってもらい、それを翻訳つきで伝えたいのだとか。きっといずれはそんなコーナーが実現することでしょう。

思いを形にすることの大切さ、WEBだからできるコミュニケーションのあり方など、たくさんのことを考えさせてくれた再会の夜でした。私も歩みは遅くとも、一歩ずつ信じた道をまっすぐに進み、みなさんのお役に立ちたいとあらためて思いました。



2010年10月08日

“売りたいもの”を売るか、“顧客が必要とするもの”を売るか

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、あるメーカーのPRその他を担当している代理店さんから相談を受けました。担当することになったという製品の一般的な知識について、消費者の求めているもの、その傾向、製品群の最近の傾向などをお話させていただいたのですが、その際に担当者の方がこんなことをおっしゃったのです。
 
「そうですか、でも、先方はこれを売りたいみたいなんですよね」
 
私がそのメーカーさんには、他者と差別化できる点がある、いい製品があるし、あまり1つにこだわらないほうがいいのでは?とたずねたときに、出たのがこの言葉だったのです。つまり、クライアントであるメーカーさんは“売りたい”と思っているものをいかにPRできるかのために、代理店にお願いしているわけで、ここには顧客はある意味不在です。
 
今日、広報コンサルタントをしている方がこんなつぶやきをしていました。
 
「自分の製品やサービスに思い入れが強すぎると押し付けになる。距離感が必要」
 
これって、先に述べた“売りたいものを売る”−だって、こんなに技術力その他を結集したよい製品なのだから…という姿勢にもつながるように思います。自信作かもしれないけれど、そこに顧客の姿が不在ならまさに押し付けになります。
 
同時期にそれ以外の製品も出していて、それはフラグシップでないとしても、それを必要としている人がいる素晴らしい製品ならちゃんとそのことを伝えていかなければならないのではないでしょうか。そして、そこを見極めて、きちんと伝える立場の人が必要のはず。
 
私はウィキペディアをあまり信用していないし、鵜呑みにはしていませんが、マーケティングの項に書いてある 
 
「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である
 
という説明にはなるほどと共感しています。商品の特性を理解し、顧客が求めるサービスや商品を理解し、最終的にちゃんとそれが顧客に伝わるようにしていくことが大切なのですよね。
 
今回の“売りたいもの”についても、これをまさに必要としている人を探し出し、その人たちの向けて訴求できるのなら、一つの方法かもしれません。でも、“売りたい”ということが先に立って押し付けになっては消費者の心には響かないことでしょう。本当はものづくりの時点での見極めからしていかないといけないのだろうなと思います。
 
 

2010年10月04日

“感動の仕掛け”のWEBショップ、続きの話。

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
昨日、ご紹介したジュエリー工房「Orefice(オレフィーチェ)」さんの、顧客への心配りの素晴らしさ(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/41076984.html)…ですが、続きのお話があります。商品のよさだけでなく、包装や同封するレター、レビューを書いてもらうための仕掛けなどが行き届いているということをここで紹介したところ、わずか3時間後にお店の担当者からメールが届いたのです。
 
せっかくなので、うれしいメールをここで紹介させていただきましょう。
 
神原様はマーケティング関連のお仕事をされてらっしゃるのですね。さっそくブログを拝見し、大変興味深く読ませていただきました。当店の対応や梱包について詳しくご紹介いただき、ありがとうございました。大変ご満足いただけましたようで、こちらも喜ばしい気持ちでいっぱいでございます。
 
今後もオレフィーチェのファンを増やしていけますよう、また一人でも多くのお客様に感動していただけますよう、丁寧に取り組んで参りたいと思います。顧客視点アドバイザーの方からプロのご意見もいただけましたら非常に参考になりますので、何かございましたらいつでもご助言いただけますと幸いでございます。
 
(中略)
 
お届けした商品で神原様の美しさがもっともっと輝きだしますように・・・
楽天市場へのレビューの書き込みをしたり、ブログでの紹介記事を書いた場合はお知らせください…ということだったので、一応、こちらからのメールに対する返信ではあるのですが、すでに用意してあるお礼の文章のコピペではなく、きちんとレビューなりブログ記事なりを読んでの個別の内容だということがわかる返信です。
 
「お届けした商品で○○様の美しさがもっともっと輝きだしますように」という最後の一文も素敵です。
 
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昨日、このWEBショップの対応についてツイッターでもつぶやいたところ、「実際に触れ合わないからこその仕掛け。売り方をデザインする時代」との返信をいただき、まさにそのとおりだなあと。
 
『売り方のデザイン』…この言葉、心に留めておきたいと思います。
 


 

2010年10月03日

もう一度買いたいと思わせる、あるWEBショップの感動の仕掛け

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、楽天市場のサイトでアクセサリーを買いました。ちょうど欲しいなあと思ったいたものが手頃な価格で販売されていたのと、レビューの数が多く、しかもとても丁寧に書かれていて購入した人の満足度の高さに安心感があったから…というのがその理由だったのですが、注文した翌日に品物が届いた迅速さもさることながら、お店の心配りのようなものが随所に感じられて「なるほど!」と思いました。
 
同封されていた便せんには、店長さんからの手書きのメッセージがあり、購入者の名前が書かれて「私へのメッセージ」であることが伝わってきます。たとえ、その後の文章がいつも同じであったとしても、自分の名前がペンで書かれているというのはうれしいものですよね。
 
うれしかったので全文をご紹介すると…
 
神原恭子様(←私の本名です)
 
Oreficeのジュエリーをお買い上げいただき誠にありがとうございます。
 
当社では「うれしいを作る うれしいを届ける」を理念にお客様に共感していただけるジュエリーをお届けしたいと思います。
 
お買い上げいただいた製品のご感想を「レビュー」にてぜひお聞かせください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
Orefice店長 清水千栄
便せんと一緒に、レビューを書いて、お店にメールで連絡するとプレゼントがある旨の説明も同封されていました。先の店長さんからのメッセージに加え、レビュー特典があると聞けば、誰でもレビューを書くひと手間を惜しまないことでしょう。
 
楽天市場のようなWEBサイトでは、初めて購入するショップだったり、少し値の張る商品だったりする場合、レビューを参考にすることが多いと思いますが、いかにしてレビューを書いてもらえるかの仕掛けとして、このお店はとても丁寧に取り組み、顧客の心理をついているなあと思いました。
 
購入したアクセサリーは上の画像にある白い巾着に入っていたのですが、巾着をあけてみるとやわらかな紙で丁寧に包まれ、紙をとめてあったテープははがしやすいように端が一折してあり、本当に細部まで行き届いています。
 
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そしてもう一つ、このショップでは、注文時に「通常梱包(ケース、段ボール)」「簡易梱包(ケース、紙バッグ)」「エコ簡易(巾着、エコバッグ)」の3種類の梱包方法を選べるようになっていて、「エコ簡易」を選ぶと、アクセサリーがケースでなく巾着に入り、それをクッション材でキャンディみたいにくるんで、オリジナルエコバッグ入れ、透明のビニール袋に入れた状態で発送されてきます。
 
かさばらず、ゴミもほとんど出ず、エコバッグも再利用できる…という方法なのですが、さらにこのエコ簡易を選んだ場合、1配送につき30円を「乳がんほほえみ基金」に寄付してピンクリボン運動に参加する…という試みもしているのです。http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/pink.html
 
もちろん、取り扱っている商品そのものに魅力があり、品質も価格も納得のいくものであることは大前提ではありますが…初めてWEBサイトをのぞいた人には、レビューの多さやその内容で購入にまで結びつけ、一度購入した人には丁寧な対応でレビューを書かせるだけでなく、もう一度買いたいと思わせる。「ファンを作る」仕掛けというのはこういうものをいうのだなあと思いました。
 
◆ジュエリーショップ「Orefis」
http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/index.html
 
 
 

2010年09月26日

グンゼ「ボディワイルド」、100万通りのカスタマイズパンツの試み

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
9月中旬にグンゼさんの展示会のご案内をいただいたので、短時間でしたがお邪魔してきました。繊維業界、ランジェリー業界の方と懇意にさせていただいているのは、以前、1年弱、業界誌の記者をしていたことがあるから。すでに家電を中心とした仕事にしぼっていたのですが、即戦力のある記者を探していて、どうしても手伝ってほしいと頼まれ、「これも何かのご縁。新しい世界をのぞくのも勉強のうち」と仕事をさせていただいたのでした。
 
実際に関わってみると、毎日身につけるものでありながら、実のところ、選び方などが広く浸透していなかったり、「こんな商品がありますよ」ということが伝わらない売り場だったりと、家電にも通じるものがあり、ライフワークの1つとしてアンダーウェア&ランジェリーというのは、ずっと追っていきたい世界だなと思っています。
 
さて、前置きが長くなりましたが、先日のグンゼさんの展示会は、すでに「2011年春夏」なんですね。先を見越しての展示会というのが、家電とはちょっと違います。汗対策の肌着など、今年のものよりもさらに進化していて、「今すぐに欲しい!」と思ってしまいました。とはいえ、すべてが来春以降のものというわけでもなくて、今年の秋から始める取り組みについてのコーナーも。
 
そんな中で、やっぱりひときわ元気がいいなと感じたのが、「ボディワイルド」。木村カエラちゃんのパンパカパーンツ!のCMもそうだし、100カラーのパンツの展示もそうだし、新たな企画を次々に打ち出していて勢いがあるブランドです。
 
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で、9月21日からWEBサイトで始まっているのが、組み合わせが100万通り以上という「カスタマイズパンツ企画の「BW fit」(http://www.bw-fit.com/)。
どういうふうにカスタマイズできるのかというと、100色のボディ、100種類の腰ゴム、100種類のポケットから自由に組み合わせて選び、指定の文字の縫い取りも入れてもらえるというもの。
 
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今年2月に原宿にオープンした直営店では、この100万通りのカスタマイズパンツの販売をしていたそうですが、プレゼントなどにもいいと人気だったとのこと。全国で購入できるようにしてほしいとの要望が相次ぎ、ネットでの販売が実現したといいます。
 
実は、展示会ではプレス担当者向けにお土産代りにとひと足早くネットでの注文を受け付けてくれるということだったので、開場に設置されていたパソコンで「ボディ」「腰ゴム」「ポケット」「刺繍の文字」を選んだり、入力したりしてきたのですが、何とも楽しい!
 
たぶん、こうしたパンツを一番喜ぶだろうと思われる、長男向けにカスタマイズしたのがこれです。
 
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縫い取りにはゴールドの糸で「KEN」の文字。
 
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お尻のポケットはピンクのギンガムチェックをセレクトしました。
 
最短で、翌日発送とスピーディな対応なのもうれしく(私のところにも、展示会の翌々日に届きました)、ボディワイルドのものなので、品質もばっちり。男性用のM・Lサイズ、女性用のM・Lサイズがあり、1枚3150円で男女2枚を同時注文だと5250円とお得になるのだそうです(送料は無料)。
 
100カラーパンツもそうですが、このカスタマイズパンツは贈物に人気が出ること間違いなしではと思います。実際に原宿の直営店の反応を見ても、今年3月の卒業シーズンには、学生たちがグループで来店し、お世話になった先生へのプレゼントを選ぶ…という例が本当に多かったそう。中高校生のお小遣いレベルでもお金を出し合って買うには買いやすい値段だし、ちょっとユニークなプレゼントになりますものね。
 
クリスマスシーズンには、二人の名前を入れたり、相手のものに自分の名前を入れたりする「ペア」仕様に人気が集まるかもしれません。
 
おうちでのくつろぎが重視される中、こんな元気で明るいパンツ、いいなあと思います。

 
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ついでにもう一つ。
 
以前に、ここでもご紹介した、父の日に合わせての「パパパンツキャンペーン」(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/38838360.html)、子どもが描いたお父さんの顔をパンツにプリントしてプレゼントしてくれるというものでしたが、100人しか当選しないのに、応募が27000件もあったと広報の方からうかがいました。
 
中には、「お金を払いますから、作ってあげてください」という問い合わせも多数あったとのこと。インクジェットプリンタの進化で、どんな絵柄でもプリントできるようになったので、お父さんの顔に限らず、いろいろな試みができそうだと言っていました。(つまり、パンツだけでなく)
 
パパパンツキャンペーンは、以前の記事にも書いたように、WEBサイトにすべての応募者の作品が載るような仕掛けにしたところも成功の秘訣だったのではないかなと思います。
 
一方通行でない、顧客とのコミュニケーション、大切ですね。