2009年10月28日

ターゲットはアラサー&シングル

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こんにちは!
 
パナソニックからアラサー世代のシングルに向けた生活家電「NIGHT COLOR」シリーズが11月1日から順次発売されます。家電のことなので、Sallyの家電研究室のほうにも先ほど書きましたが、こちらではちょっと視点を変えて見てみたいと思います。
 
上の写真を見てもわかるように、カラーはすべてブラック。でも、近づいてみてみると、コモンパターンという柄になっていて、ベタッとしたブラックでも、メタリックなものでもない「コモンブラック」というのがデザインのこだわりのようです。これは、男性にも女性にも受け入れられるようにということなのでしょうね。
 
そういえば、エレクトロラックスの黒い家電シリーズ「NERO」も昨年3月に発売以来、人気なのだそう。部屋(家)全体のインテリアにもよるけれど、案外黒というのは、しっくりとおさまるものなのかもしれません。
 
でね、ここでどうしても触れておきたくなるのが、同じパナソニックから出ているシングル向けの「BEGiN」というシリーズのこと。
 
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サイトを見てみても、こんなふうに「白」をベースにした家電群であることがわかります。
 
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ところが、時をさかのぼって昨年の夏ごろまで(まだナショナルだったころ)は、「BEGiN」ももう少し大人っぽいイメージで展開していたのですよね。
 
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こちらが、その頃の「BEGiN」のパンフレットの表紙です。CDよりもちょっと大きいくらいの手のひらサイズのパンフレットが売り場に置いてありました。
 
売り場も黒ベースの専用什器やパネルを使っていて、普通のシングル向け家電とは違った“こだわり感”のあるイメージ。だって、キャッチコピーも“暮らしに、自分流。”です。
 
ただし、取り扱っているのはナショナルの家電の中から、「BEGiN」世代向けに選んだ、いわゆる“セレクト家電”。つまり、ターゲットをしぼって、企画された家電ではないということ。マイコンジャー炊飯器のような比較的安価なものもあれば、タテ型の乾燥機付きの洗濯機もあり、全自動洗濯機や温水シャワー付きの便座などまであって、ファーストシングル向けなのだか、一人暮らしをそこそこ経験してきて、いいものが欲しくなった世代に向けてなのかがはっきりしていませんでした。
 
今回、「BEGiN」のほうはファーストシングル向けに、そして「NIGHT COLOR」シリーズのほうはアラサー世代に…とターゲットをはっきり区分けして打ち出してきているのはわかりやすくていいなと思います。
 
今年の春に三洋電機がアラサー&アラフォーの料理好きのシングルたちに向けて発売した冷凍冷蔵庫「&Smart」もコンセプトがしっかりしていて、人気のようです。
 
これまでは家電も「シングル向け」「ファミリー向け」という分け方ばかりでしたが、これからはその間ともいえる「アラサー&アラフォーのシングル向け」というものが増えてくるのかもしれませんね。そして、それは案外、子育て終了後の「シニア向け」にもつながるのかもしれません。
 
 
 
 

2009年10月22日

花王「アタックNeo」とP&G「さらさ」、生活者の心に響く洗剤は?

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ご無沙汰しております。久々の更新です。 
 
「Sallyの家電研究室」は何とか更新を続けているものの、忙しさにかまけてこちらはすっかり更新をさぼっておりまして…それにも関らず、日々チェックしてくださる方がいることに感謝です。発信しないことには伝わらないので、日々心に留めたことを書いていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 
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この夏、花王から新しい衣料用洗剤がリリースされました。2.5倍にギュッと濃縮した洗浄成分により、使用量がほんのわずかですみ、しかも泡切れがよいので“すすぎが1回”という、これまでの常識をくつがえすような「アタックNeo」です。
 
新しい洗浄成分によって、容器をコンパクト化し、すすぎの水も減らして環境への配慮を打ち出している「アタックNeo」には、他社にはまねのできない技術力もあり、インパクトがあります。
 
ただ、当初、私は洗濯機の「すすぎ1回」の設定が難しいのではないか、その点が大きなハードルになるのではないかと思い、花王さんにも取材に行き、発売前の「アタックNeo」を使わせていただいて、 日経トレンディネットにも書かせていただいたりしたのですが…

 


何回か使ってみて、すすぎ1回設定よりも前に、気になることが見つかってしまったのです。それは、「香りが強すぎる」ということ。店頭では小さなサンプルボトルを置いて、「ほら、いい香りでしょ?」とその香りのよさを強調しています。


でもね、どんなにいい香りでも強すぎるのはどうかなあと。しかもこの洗剤の特徴は「すすぎが1回」。ということは、すすぎ1回でも大丈夫という安心感を与えなければいけないはずなのに、洗濯物を干しているときにもかなり気になるほどに香りが漂ってきます。これでは、「すすげていないのかも…」という不安を煽ってしまうのではないかと心配になります。
 
せっかくいただいたのだからと、「すすぎを2回」にして洗濯してみましたが、やはり香りは強め。たぶん、昨今、香りで選ぶ洗剤が流行っていることもあり、あえて強めにしたのだとは思いますが、いっそ香りがほとんど残らないくらいのほうが、すっきりすすげている感じがしてわかりやすいのになあと思うのですがいかがでしょう。
 
そんな折、P&Gからは、蛍光剤、漂白剤、着色料を入れずに“無添加”をアピールし、クエン酸を配合することでしっかり汚れを落とすという「さらさ」が9月中旬に発売されました。余分なものをそぎ落として、シンプルで人にやさしいことを打ち出している「さらさ」は、「アタックNeo」が環境に配慮している点とどこかに似ているのだけれど、微妙に路線が違っていて興味深いです。
 
さらに注目したいのは、「さらさ」のテレビCM。まるで花王の台所用洗剤「キュキュット」のCMを思わせるようなクレイの人形を使って、洗剤選びのときの主婦の微妙な心を表現していて、思わず見てしまいます。私自身もそこに惹かれて、思わず「さらさ」を買ってしまったわけですが…
 
ちなみに「さらさ」は香りがほとんど残らず、さっぱりとした洗い上がりという感じ。まさに“引き算”の洗剤だなあと感じました。人それぞれの好みもあるのでしょうし、実際のところ、どちらが人気があるのかはわかりませんが、女性たちの生の声を拾ってみたいものだと思っています。 

 
 
*神原サリー*
 
 

2009年08月23日

NHK「トップランナー」の言葉

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NHK「トップランナー」の言葉―仕事が面白くなる! (知的生きかた文庫―BUSINESS (え13-1))
 
こんにちは! 本当に忙しくて、こちらのブログの更新がすっかり滞ってしまいました。今日は、Sallyの家電研究室のほうでも取り上げた本のことをご紹介します。

 

昨年の秋に購入して以来、繰り返し手にとっているのが、NHK『トップランナー』制作班によるNHK「トップランナー」の言葉という本。1997年の番組開始以来、400組以上のゲストを迎えているそうですが、その中から28人のメッセージを選んで載せています。
 
作家、フォトグラファー、イラストレーター、構成作家など多彩な活動をしているアーティストのリリー・フランキー氏は、

 「どんな仕事でも『得意です!』と答えて、受けてから勉強するようにしていました。〜中略〜その道のプロの人たちはボクのことをプロだと思っていないし、ボクもそうなりたいとは思っていない。でも、ボクみたいに“ニセ者”じゃないとできないこともあると思うんですよ。それはプロの人たちがつくったシステムを変えていくこと。だから、自分がやったことで、そういうシステムを変えられればいいかなとか思いますけどね」


 

 と言っていますが、私自身もフリーランス・ライター時代には、決して得意分野とは言えない取材の仕事でも「やってみせますとも!」という気概を見せて、それを引き受け、それがきっかけで得意分野となったことが多々あります。それに、プロの人たちがつくったシステムを変えていく…という部分もとても共感できるんですよね。現在の仕事も、家電を中心とはしているものの、“顧客視点”という見方で物事を見ていくと、どんな分野であっても「このよさをこういうふうに伝えたらいいのに」と思うことや、「それではそれを必要としている人に伝わらない、それではもったいない」と思うことが多々あって、いつのまにか家電以外の仕事が、あれやこれやと舞い込んで、だけど、それもすべて世の中の人たちのお役にたてることのはず…と思ってがんばっています。
 
直木賞作家の石田衣良氏の

「自分で限界を決めてしまわないことです。限界を超えたところで頑張っていると、それが普通になってさらに遠い限界に行ける。無理をすることです。自分なんてそんなにたいしたものではないのだから、大事にしなくていいんです。輝くためには自分の火を燃やさなければならない。そのためには、自分の中にあるものを削らなければなりません。それを恐れてはならない」
という言葉も深く心に残っています。というより、何度も読み返しては、まだまだ甘いぞ!と自分自身を鼓舞しているわけなんですが。シンガーソングライターのスガシカオ氏の
 「休もうかと思うときもありますが、人間は、生き急げるときは生き急いだほうが絶対いいと思うんです」

という言葉も好きです。ただし、この後「だって、そのうち歳をとり、生き急げなくなる時が必ずやってくるのですから」と続くんですけどね。すでに私自身は生き急げなくなっている感もありますが、それでも石田氏のいうように自分を削りながら自分の火を燃やす…という生き方、仕事の仕方には共感できます。
 
以上の3人は、たまたま私が特に心に残ったメッセージ(わりと過激かも)ですが、さまざまな職業の人たちからのメッセージの中には、きっと心に響くものがあるのではと思います。

*神原サリー*


 

2009年08月07日

品川駅・藤巻商店で販売している『抹茶入り玄米茶みどり』

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こんにちは。すでに自宅に帰っていますが、外は雷と雨で、先ほどは一時停電も。スコールのような雨の中、帰宅の足は皆さん、大丈夫でしょうか。
 
前に「Sallyの家電研究室」のほうで、品川駅構内にオープンした「藤巻商店」のことを紹介したことがあります。その時の記事でも書きましたが、藤巻幸夫氏にはフリーランスライター時代に、ロングインタビューをしたことがあり(福助再建をされているころでした)、藤巻さんの仕事に対する熱い思いなどに感動し、いつかぜひまたお目にかかってお話できたらと思っています。
 
「Sallyの家電研究室」の記事にコメントをくださったことがきっかけでご縁のできたegaoさんから、実家のお父様が作っていらっしゃる抹茶入り玄米茶「みどり」が、藤巻商店でも売っているのでぜひ・・・と教えていただきました。

 
コシヒカリの玄米の香ばしさと、抹茶の色と香りのよさを冷茶でも味わえることを教えていただき、試してみたのが上の写真です。一晩冷蔵庫で寝かしておく必要もなく、即座においしい冷茶。しかも玄米の香ばしさもあって絶品です。
 
それにね、急須に残った玄米を食べると、とてもおいしいんですよ。お茶の新しい世界が広がったという感じ。この新潟ナガイ園さんのお茶をおこうと決めた藤巻さんの目利きに脱帽! こんなおいしいお茶を作ってくださっているナガイ園さんに感激!
 
この「みどり」のことを、マガジンハウスのWEBでも紹介しているのですが、筆者の遠藤さんの文章がいいんです。店頭でももっと、これまでの常識を覆すようなおいしさの、この「抹茶入り玄米茶・みどり」を使った冷茶の淹れ方をアピールしてみてもいいのではと思いました。
 
*神原サリー*
 
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2009年08月05日

ドライマンゴーの美味しい食べ方

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こんにちは!

先日も話題にしたカルディコーヒーファームのことです。

店頭で山積みにしている人気商品の一つにドライマンゴーがあります。マンゴーは女性にうれしい栄養素を含んでいるそうで、美容と健康のために、甘いものが欲しくなったら、ドライマンゴーを食べるようにしている…というモデルさんや女優さんのコメントを雑誌の記事などでよく見かけます。

ドライタイプなので噛みごたえもあり、自然な甘さで美味。私の友人でも「箱買いした」なんていう強者がいるほど!

でも…いくら好きでも、美味しくても、飽きます。

そんなわけで、私も久しく買っていなかったのですが、例の表参道店で見かけた際に『ヨーグルトに混ぜて一晩置いて食べると美味しいですよ♪』という手書きのPOPがあり、試してみようかしらとマグカップと共に購入。

それがね、やってみたら美味しいんです。前の晩にプレーンヨーグルトの中にちぎったドライマンゴーを入れておき、朝ごはんにこのヨーグルトを食べる! おすすめです。ヨーグルト好きの家人も絶賛していました。


ほんの小さなPOPでも、それが購入のきっかけになり、新しいファンを生み出すことにもなるんですよね。

食品だけでなく、家電にもこんなPOPがあるといいなあと思います。


*神原サリー*

2009年08月04日

日経トレンディネット「バイヤーズ」に本日デビュー!

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こんにちは。
 
日経トレンディネットの新チャンネル「バイヤーズ」に、家電のバイヤーとして本日デビューしました。
 
これまで、生活家電分野で、“違いがすぐわかる!家電コンシェルジュ”での連載記事や、トレンドフォーカスの記事を担当してきましたが、この新企画では、トレンドを追うとか、家電製品を俯瞰的に見ながら選び方を語るということと関係なく、「私がいい!」と思ったものを、独自の視点で語れるので、楽しんで書いています。日経トレンディネットの記事では、これまで「〜だ。」という文体で書いてきていますが、バイヤーズ企画では、自分らしい文体の「です・ます」で書けるのもうれしいです。

 
さて、「独断で選ぶ家電」の第1回は何にしたでしょう?
 
それは、三洋電機のドラム式洗濯乾燥機「アクア」(AW-AQ4000)。節水性に優れ、水洗いできないスーツや皮靴などの除菌・脱臭ができるエアウォッシュ機能などがあることで知られている洗濯乾燥機ですが、私の切り口は「外干し派にもうれしい」というところ。
 
これはタテ型洗濯機よりも洗濯時間が短いという「アクア」の新製品の特徴ゆえなのですが、三洋さんも、家電店の店頭でもこんなすすめかたはしていないでしょうね。
 
 
◆バイヤーズチャンネル http://trendy.nikkeibp.co.jp/buyers/
◆【神原恭子】洗濯がはやい!“外干し派”にうれしい三洋4代目「アクア」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090729/1027989/?ref=buyers
 
 
この企画では、ある意味、顧客視点アドバイザーとしての手腕が問われるものになるのかも…と思っています。毎月1回、バイヤーとして家電を紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
 

*神原サリー*
 
 

出会いの大切さと、全身全霊で聞くということ

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こんにちは。

石巻での仕事が終わり、仙台から「はやて」で東京に戻っています。昨日の行きの新幹線は指定席が取れず、仙台まで立ちっぱなしだったので、この窓際の座席のゆったりした座席が夢のよう! 座れるだけで何だかごほうびをもらった気分なのだから、昨日の体験には意味があったのかもしれません。

石巻への出張は今回で3回目になりますが、前の2回とは別件で急に仕事が決まりました。まったくの偶然だったので、何かこの土地にご縁があるのだなあと思っていたら、私が石巻に出かけることを聞いて、前2回でお世話になった方とつないでくださる方がいて、久しぶりに夕飯をご一緒することになったのです。

一期一会と言うけれど、一つ一つの出会いを大切にしていると、それはみんなつながっていって輪ができる。本当に会いたいと願う人には思いがけない形できっとまた会うことができる…そう思います。それがご縁というものなのでしょう。

昨日も「あなたにぜひまた会って話したかった」と言われ、どれだけうれしかったことでしょう。

私の仕事の基本はすべて、「全身全霊で聞く」ことから始まります。いくつかの質問をはさんでさらに「聞く」。そうして私の中で咀嚼して、さらに質問をして「語り手が意識していないことまで聞き出す」。

その先にあるのは、商品の特性をつかんで生活者に伝えることだったり、代表者の挨拶という形をとった企業メッセージやコンセプト設計だったりと、さまざまだけれど、「全身全霊で聞く」ことなしには始まりません。

すべての出会いを大切に、聞くことを基本に、感謝しながら歩んでいきたいとあらためて感じています。

Nご夫妻に心から御礼申し上げます。



*神原サリー*

2009年08月03日

カルディ表参道店はプレミアム

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こんにちは。

またまた出張で、今日は宮城県石巻市に向かっています。何か手土産をと、昨日のボイトレの帰りに表参道の「GYRE(ジャイル)」に立ち寄りました。キディランドのすぐ近く、シャネルやブルガリの入っているビルです。

ちょっと調べてみたら、ここはコンシャス&ラグジュアリーをコンセプトに、2007年11月にオープンしたばかりなのですね。施設の持ち主は竹中工務店のようです。

そんな大人のイメージの商業施設なので、落ち着いた雰囲気でゆったり買い物ができるのが魅力。私は地下にあるカフェをよく利用しているのですが、実はここにカルディコーヒーファームが入っているんですよね。

カルディはコーヒーを店頭で試飲させてくれて、それを飲みながら店内を見て回れるところや、女性スタッフのアイデアにあふれたPOP、独自の品揃えであっというまに全国区のお店になったことで知られています。最近では、ここの生ハムの切り落としが主婦の間で大人気だそうで、ミセス向け雑誌でこの生ハムを使ったメニューの特集が組まれたりしました。

そんなカルディですが、表参道店は別格。お店の雰囲気や扱っている商品が違うので、カルディだと気がつかない人もいるかもしれません。

上の写真のように、紙袋もプレミアム仕様。オリジナルのマグカップもそれは素敵で(たっぷりサイズなのに、薄くて軽いし、デザインも大人っぽい)、思わず買ってしまいました。

実験店舗なのか、カルディのホームページを見てみても、表参道店のプレミアム感を強くアピールしていないようですが、カルディファンならずとも、表参道方面に出かけたらぜひチェックしてみてほしいと思います。

*神原サリー*

2009年07月30日

“炊飯器の神様”下澤さんに私が提案したこと

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こんばんは!
 
相変わらず、不安定で蒸し暑い日が続いていますが、体調を崩してはいませんか? 私は少々オーバーワーク気味で食欲も減退中。そうしたなか、三洋電機の新商品の体感会で、“炊飯器の神様”もしくは“めし炊きおじさん”として知られる、下澤さんにお会いして元気をいただいてきました。
 
下澤さんは、炊飯器の開発一筋に生きてこられた方で、テレビその他のメディアに何度も取り上げられ、2007年にそれまで30年におよぶ炊飯器の研究の集大成として「匠純銅 おどり炊き」を発表し、一度引退されました。でも、その後も嘱託として炊飯器に関わり、純銅の内釜を採用した「匠純銅 おどり炊き」も今年で3代目に。
 
私は、2007年の新製品発表会のときに下澤さんにお目にかかって、その一途さに大感激してお手紙を出し、それ以降、懇意にさせていただいています。とはいえ、下澤さんの拠点は鳥取なので、実際にお目にかかれるのは1年に1回程度。今回の体感会でも、下澤さんにお会いできるのをとても楽しみに出かけました。
 
炊飯器だけでなく、調理家電や“食”そのものについて、下澤さんとずいぶんお話をしたのですが、そこで下澤さんがおっしゃったのは、「本当はもっと火力をあげて、かまどで炊くごはんに近づけたいのだけれど、火力をあげれば消費電力があがってしまう。省エネだ、エコだというご時世だから、やりたいことができないんですよ。省エネと言いながら、一方でおいしいごはんを要求する…どちらもいいようにするのは難しい」と。
 
そこで、私が提案したのは、「それならいっそのこと、“保温”をやめてしまったらどうですか? 今は熱いままでも冷凍できる機能がついた冷蔵庫が出ているし、保温こそエネルギーの無駄遣い。ごはんの味だって炊きたてにまさるものはないでしょう? 8時間以上保温するよりは、もう一度ごはんを炊いたほうが電気代がかからないのは周知の事実。『エコのために保温機能はやめにしました。その分、炊飯時の火力をあげて、さらにおいしいごはんが炊けるような炊飯器を作りました!』と発表したら、それはいいと賛同する人がけっこういるのではないですか?」ということ。
 
だって、「熱いごはんでも冷凍できます」という冷蔵庫を発表する一方で、「30〜40時間保温しても黄ばまずおいしいごはんが食べられます」なんていう炊飯器を同じ年に出すのはおかしいじゃないですか。
 
下澤さんいわく「そうだよねぇ。長時間保温しておいしいわけがないし、電気代だってかかる。いっそ、保温できない炊飯器を出してしまうのだってありだよねぇ。しかし、新たに機能が加わることはあっても、なじんだ機能をなくしてしまうっていうのはすごい試みだね」。
 
子どもやお年寄りは夜7時のごはんを食べ、お父さんが帰宅するのは夜9時過ぎだとしたら、せめて2時間の保温機能はあったほうがいいのかもしれないけれど、それだって保温をとるか、レンジでちょっとだけ温めるか、2つの方法があるわけで。
 
ならば、あってもいいんじゃないかな。保温はできないけれど、炊飯には命をかけた究極の炊飯器。
 
ね? 皆さんはどう思われますか?
 
*神原サリー*
 
 
 

2009年07月27日

リリースは記者に、パンフレットは顧客に。

こんばんは。

今日は家電メーカーさんの新製品体感会がありました。発表前の製品もあるので詳細はお話できないのですが、販促担当の方との話が弾みました。

新製品について話をうかがった後で、「その新しい機能のことだけじゃなくて、前からずっとつけている、あの機能のことも目立つようにパンフレットに書いてくださいね。7〜8年、もしかしたら10年ぶりに買い換える人ばかりなんですもの。御社独自の便利な機能のことをちゃんと知らせてあげないと」という私の一言に、「実はパンフレットなどを担当しているんですよ」とのこと。

どうやら、記者向けの発表会でこういう話になるのは珍しいらしく、「そうですよね。リリースは新しいことを書いて知らせるものだけれど、それは記者さんはこれまでの流れをよく把握しているからですもんね。パンフレットには基本から書かなくちゃお客様には伝わらないですよね」と。

本当にそう思います。メーカーさんにとってはどんなに当たり前のことであっても、繰り返し伝えなければ広く浸透はしないし、買い換えまでのサイクルが長い家電では「それ、初めて知りました」という人が大部分のはず。

わかりやすいパンフレット、心に響くパンフレットで顧客の心をつかんでほしいと思います。




2009年07月25日

ツール・ド・フランスとエネループバイク

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こんにちは。
 
昨日、三洋電機から電動アシスト自転車(電動ハイブリッド自転車)「エネループ」の第2弾が発表されました。第1弾はスタンダードな、いわゆるママチャリタイプでしたが、今回は写真にようなスポーツタイプ車と、車輪が小さくておしゃれなデザイン、しかも折りたたみ式のタイプという2モデル。
 
エネループバイクのコンセプトは、「創エネ、畜エネ、活エネ」。下り坂やブレーキをかけた際のエネルギーをためておき、オートモードで効率よく使う…ということにあります。第1弾の発表会時には「省エネ、創エネ、畜エネ」と言っていましたが、「省エネ」がなくなって「活エネ」に。省エネは当たり前で、自ら作り出したエネルギーをうまく活かそうということですね。さすがエネループ(電池)を考え出した三洋電機だなあと思います。
 
こうしたエネループバイクを、さらに幅広い人たちに使ってもらおう、裾野を広げようと、今回の2モデルの開発になったわけですが、1つだけ疑問に思っていることがあるんです。
 
MTBプロサイクリストの山口孝徳さんの協力による開発という、スポーツ車。軽量なカーボンフレームを使うなど自転車好きの人が憧れるような部品を随所に使った高級車で、販売価格も62万7900円です。
 
家人が自転車好きで、わが家にも総額40万だか50万だかの自転車があったりする(もちろん、部屋の中に掲げてあります)ので、材質にこだわるときりがなくて、かなり高価なものになってしまうことはよくわかります。だから決してこの62万7900円という価格が高すぎるとか、そんなふうには思いません。
 
でもね、ここまで材質にこだわり、走りにこだわりたいという人が『電動アシスト』を欲しがるんでしょうか? 6月末からフランスでは「ツール・ド・フランス」が開催されていますが、箱根駅伝の山越えのように『山岳ステージ』などがあって、ものすごい高低差を1日で走り切り、それが何日も続くという過酷なレースです。
 
でも彼らは、自分の脚とチームワークでそれを走り切ることを最高の喜びとしています。私も30代前半のころにはマウンテンバイクで江戸川沿いを30キロくらい(少ないですけれど)走っていたことがあります。そんなときに向かい風で辛くなると、ツール・ド・フランスのテーマ音楽を思い浮べ、「山岳ステージに比べればなんてことない!」と励ましながら走ったものでした。
 
今、通勤にスポーツ車を使うビジネスマンがいたりするので、そうした人たちのために、「かっこよくて、でも効率よく走れるエネループバイクを」というコンセプトのもと、もっと安価な普及タイプのスポーツ車を作って発表すればよかったのではと思うのですが、自転車好きの方々は今回のスポーツ車についてどのような感想をもっているのでしょう。
 
昨日の発表では「自転車マニアのようなかっこいい走りに憧れるが、体力などが及ばない人たちに」と言っていました。
 
さて、受注のほどはいかに? 第3弾ではぜひ普及モデルのスポーツ車をのぞみます!
 
*神原サリー*

2009年07月24日

先手必勝!?ユニクロのヒートテック販売開始に思うこと。

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こんにちは。

雨が降り出したと思ったら、急に晴れ間が出たり、かと思うと突風が吹いたり、変なお天気が続いていますね。戻り梅雨だとも言われているようで、気象庁では梅雨明けの時期を修正するかもしれないのだとか。
 
とはいえ、本格的な夏であることに変わりなし。街では夏休みを満喫する子どもたちの姿が見られます。
 
こんな時期にユニクロから冬向けの機能性インナー、「ヒートテック」が販売開始されました。カラーも豊富で、キャミソールから長袖のTシャツまでバリエーション豊かな展開に早くも注目が集まっているようです。インナーというよりは、上にチュニックを重ねたり、ジャケットの下に着たりというような、アウター的な着こなしが楽しめそうなのもいいですよね。
 
どうして暑いこの時期に販売開始? 買ってもまだ着られないのになぜ?
 
ユニクロによれば、昨年は年末には売り切れ続出で買えなかった人が続出したため、早めに市場に出して欲しい人すべてに行き渡るようにということなのだそうな。
 
確かにそれもあるとは思うけれど、本当のところは“先手必勝”という戦略だと思うんです。だってね、まさかこの時期に、冬向けの機能性インナーを売り出そうとは普通思わないですものね。おしゃれなら“先取り”をするとしても、薄くて発熱性があって暖かい…というようなものを普通なら並べない。


昨年のユニクロの売れ行きを見て、たとえばワコールの“スゴ衣”にしろ、グンゼの“ホットマジック”にしろ、この秋・冬商戦にはものすごく力を入れています(展示会で見てきました)。だからこそ、ユニクロは早めの展開に出たのではと。自信があるからこそできることなのでしょうけれど。
 
9月以降、売り場はどんな展開を見せるのかしらととても気になります。


 
*神原サリー*
 
 
 

2009年07月21日

コストコでみんな何を買っている?

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昨日、コストコ新三郷へ行ってきました。まだオープンから2週間足らずなので、入店の前に入会手続きをする人が多く、暑い中、難行苦行の末の入店となりました。(詳細はこちらを
 
さて、この「コストコ」、会員制&まとめ買い用大パックが大きな特徴のスーパーですが、日用品はもちろんのこと、食料品などもとにかく1パックの量が多く、しかもほとんどが冷凍ではなくチルド品。アメリカンビーフやスペアリブ、ラム、合挽きなど、脂身が多すぎず質のよさそうな肉がそろっていて、しかも安いですが、合挽き1.2キロを購入しても、使いきれるか自信がなく(600〜700グラムを使ってミートローフを作り、残りでミートボールを作って、こちらは冷凍しておけばいいのかな…)、今回は生の肉類は見送ることに。
 
サーモンにしても、ソーセージにしても皆、同様。大好きなチーズも、種類豊富に並べてあってわくわくしたけれど、「こんなに食べきれない」と断念。
 
子どもたちが小さかったころによく利用していた生協の食材のように、冷凍してあればいいのになあと思いつつ、かといって大容量のものが冷凍してあっても、「切れちゃう冷凍」ではないので、小出しにして使うわけにいかないですものね。ということは、買ってきたら、ミートローフ&ミートボールのように、食材を加工して火を通したものを、ホームフリージングすればいいということでしょうか。
 
それで、みんなはいったいどんなものを購入しているのかと気になって、巨大カートの中身をウォッチングしてみることに。
 
やっぱりね。なるほどね。確かにね。
 
どうだったかって? たとえば食品関連だと「プチパンの大袋」「特大マフィンの8個入りパック」「蒸し鶏入りのシーザーサラダセット」「トマトソースのペンネセット」「ファミリー寿司」…などなど、今晩、そのまま夕飯に食べられそうなお惣菜やパン、ケーキばかり。
 
肉や魚やチーズの大容量パックを購入している人は驚くほど少ないように感じました。あとは、ミネラルウォーターや、びっくりするほど大きな袋のポテトチップスなど。
 
ということは、たっぷりサイズのお惣菜パックのメニューを充実させると人気が継続するのかな、と思ったりして。あとは、あの大容量の肉を上手に保存したり、食べきる方法の提案を売り場でもっとしてくれたらいいのではないかと思います。
 
友人知人と分け合うという方法もあるけれど、「おうちごはん」や「巣ごもり消費」が盛んというなら、コストコのお得な食材を積極的に利用できるような提案を何かできないものでしょうか。オレンジページやESSEなどのミセス向け雑誌では「コストコをうまく利用するコツ」なんていう特集がどんどん組まれるようになるのかもしれませんね。


ちなみに私が何を買ったかというと、Bountyのキッチンペーパー、20個入りの卵、1本換算25円ちょっとのミネラルウォーター30本パック、オーネのチキンブイヨン25本パックなどなど。たいしたものは買っていません。

 
あ、蒸し鶏入りのシーザーサラダのセットも買いました(家にあったサニーレタス、アスパラ、ブロッコリー、トマト、生ハムを足したら、けっこう豪華なサラダに変身! ついていたドレッシングやクルトンがなかなか美味でした♪)


 
*神原サリー*
 
 

2009年07月20日

ビバ! 水筒男子

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こんにちは。暑いですね〜!
 
昨日もテレビでは盛んに「熱中症に注意」ということを取り上げていました。夜間でも気温が25度以上の熱帯夜で湿度が70%以上になると、熱中症にかかる危険があるのだとか。お年寄りはトイレに行くのをめんどうがってしまって、水分をとるのを控える傾向にあるため、さらに危険度が増すのだそうです。昼間はもちろんのこと、寝る前に水分補給をしておくことが大切なのですね。
 
さて、最近、弁当男子に続いて「水筒男子」という言葉をよく聞くようになりました。無駄にペットボトル飲料を買わないようにしようというエコへの配慮だけでなく、「自分で作った麦茶や冷茶のほうがおいしいし、安上がりだし」という考えが浸透してきたようです。もっとも女子たちは、だいぶ前から「マイボトル」をバッグに入れて出かけている人が多かったのですし、子どもたちは夏場になると学校に水筒持参が当たり前でしたものね。
 
こうした『言葉』をメディアが多用することで、ブームを起こして、市場を活性化させようというような、ある意味「仕掛け」のようなものは、あまり好きではなかったりもするのですが、マーケティングの手法としてはスタンダードなものなのかもしれません(でも、カラ回りすることだって多いのも現実)。
 
今回の「弁当男子」「水筒男子」などは、仕掛け人がいるのかどうかはわからないけれど、この言葉が広まってきてよかったなあと思っています。
 
というのは、これまで1日に何本もペットボトルのお茶などを購入していたわが家の長男、これまでも何回か「かっこいいボトルも売っているんだから、家でつめて持っていけばいいのに」と提案してみたものの、かっこ悪いと思っていたのか、面倒だったのか全く聞く耳をもたず。
 
それが、考えが変わったようで「水筒男子で行こうかな」とポツリ。そうか、ブームとかムーブメントなどというものは侮れないなあと思った次第です。まあ、ようやく社会人としての一歩を踏み出して、“お金のありがたみ”というものを実感できたからかもしれませんが。
 
マイボトルを持つことが特別なことではなくて、当たり前の世の中なってきたのも、やはりわかりやすくて注目されやすい「言葉」が登場したからこそなのでしょう。「言葉」の力ってものすごいものがありますね。
 
 
*神原サリー*
 
 

2009年07月17日

消費者は“当たり前”のことを知らないので…〜あるパンフレットの事例から

こんにちは。
 
エコポイントのこともあって、エアコン商戦真っ盛りですね。Sallyの家電研究室でもずいぶんエアコンのことを紹介してきましたし、6月には日経トレンディネットの連載記事でもエアコンの選び方の特集を執筆しました。
 
とはいえ、エアコンって、同じエコポイントの対象となる冷蔵庫と比べて本当に機種が多いんですよね。家電量販店などの店頭に展示されているのを見ても、みんな四角い白い箱状で、違いが本当にわかりにくい。せめて家でじっくりパンフレットなどを眺めて検討してから出かけたいところです。
 
常々、私が思っているのは、どんなにネットの情報があるとしても、紙に印刷されている「パンフレット」から得られる情報はとても大切だということ。気になるメーカーのパンフレットを一斉に開いて、比較検討することも紙なら容易です。
 
そんなパンフレットですが、ここで問題を出しましょう。次にあげるパンフレットは、いずれもシャープのエアコン「キレイオン」の“つつみ込む気流”について説明したものですが、どこが違うでしょう?
 
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↑ こちらは、今年の5月版です。
 
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↑ こちらは、6月からのニューバージョン。


PDFをコピーしたものなので、色合いが薄くてわかりづらいかもしれません。それぞれ画像をクリックすると少し大きく表示されるので、じっくりご覧ください。
 
実は、5月にエアコンの担当者の方とお話する機会があり、あらためて「キレイオン」の特徴をいろいろと説明していただきました。テレビCMでは盛んに「プラズマクラスター」のことを取り上げていますが、そちらよりも私は体に直接冷気があたらず、部屋全体を包み込む気流を作って、手足の冷えすぎを防ぐという“つつみ込む気流”にキレイオンのよさがあると思います。
 
ただ、部屋の天井や壁などの躯体を冷やして部屋全体を冷気で包むと言われると、「外から帰ってきて暑いのに、部屋が冷えるまで待たなくてはならないなんてちょっと…」と思う人もいるのではないでしょうか? 女性はまだしも、暑がりの男性にとっては、「直接冷風にあたって涼みたい」という人もいるはずです。
 
ところがね、実は、運転開始時は、まずは冷風が斜め下に吹き出し、しばらくするとパネルが上向きに開いて風を天井方向に吹き出させるような仕組みになっているというじゃありませんか。
 
「パンフレットに書いてあります?とっても大事なことですよね?」
 
私の一言に担当者は「いや、書いてないんですよ。これまで、冷風は天井に、温風は足元にということを強調することに懸命でしたから」と。
 
「お店の人だって、説明に困るでしょうし、私と同じような疑問をもっていた人だっているはずですもの、パンフレットに書きましょうよ」と私。
 
…その結果が、上の写真というわけです。「神原さんに言われたので変えましたよ〜」とシャープの方がPDFを送ってくださったのでした。5月の連休明けに話をして、6月のパンフレットから、、改訂されたのですから、ずいぶんすばやい対応でびっくり。聞いてくださって感謝です。
 
「最初の10分程度は、冷房時に風が下向きに出て、後はずっと上向き」ということは、メーカーさんにとってはきっと当たり前すぎることで、特に説明する必要なんてないことだったのかもしれません。でも、それをきちんと説明する…そんなちょっとしたことが、もしかしたら購入のきっかけになる人もいるかもしれません。
 
たくさん伝えたいことがあると、膨大な情報量になってしまうし、どんなパンフレットがわかりやすいのかは、難しいところだと思うのですが、だからこそ、しぼりこんだ情報が生活者の心に響くものになっているのかどうかを見直すことはとても大切だと思うのです。
 
 
*神原サリー*
 
 

2009年07月16日

どこに売っていますか?―透けないベージュの肌着が買えない―

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クールビズが定着して、夏の間は、ワイシャツ姿&ノーネクタイのビジネスマンの姿がすっかり一般的になりました。そこで気になるのが、ワイシャツから透けて見える下着のライン。ネクタイをはずしてV字に開けたワイシャツから、アンダーウェアがのぞかないように、丸首でなくVネックのものに切り替えた人も多いことでしょう。
 
実は昨年11月から今年6月までの8か月間、繊維業界の専門誌の取材・執筆をしていました。多忙な毎日でしたし、こちらの専門誌の仕事は「記者」としてのものだったので、フリーランスライターに逆戻りのようで、お話をいただいたときに、どうしようかなとためらったこともあったのですが、「これも何かのご縁だし、きっと何か得るものがあるに違いない」とお引き受けした次第です。
 
その中で、私は企画した編集記事で「メンズのアンダーウェアは“透けないベージュ”がトレンド」というものが注目を浴び、業界だけでなく一般の人にも伝えたいと思って、家電で執筆をしている日経トレンディネットにも同じ題材で書かせてもらいました。
 
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ほら、透かし模様のワイシャツの下に、ちゃんと肌着を来ているのに、まったく透けていないでしょう? まるで何も着ていないみたいに見えます。
 
で、ここからが本題です。
 
日経トレンディネットは30〜40代のビジネスマンが主要な読者層なので、ベージュのアンダーウェアのことはずいぶん着目されたようなのですが、いざ、量販店(スーパーのこと)に出かけてみても、どこに売っているかわからない。探せない。お店の人も「それって何のことでしょうね?」とわからない…ということが頻発して、メーカーさんに問い合わせの電話がずいぶんかかっていたというんですね。
 
それを聞いて、私も家の近くのスーパーに立ち寄ってみました。
 
私はメーカー名も知っているし、ブランド名、商品名だってわかります。だからすぐに探せるはず…だったのですが、見つからない。探せない! ようやく見つけたのは20分も経ってからでした。
 
ある意味、“売り出し中”の一押し商品のはずなのに(広報担当の方はそうおっしゃっていました)、壁のフックの一番下に掛けられいて、しかも「透けにくい」などという説明はどこにもないんですもの。
 
POPしかり、パッケージしかり…。どうしてでしょう? このわかりにくさ、買いにくさは、家電量販店をはるかにしのぐものだと愕然としてしまったのでした。
 
今、スーパーではPV(プライベートブランド)のものが優勢なので、メーカーのものが押され気味なのかもしれませんが、「ベージュの肌着が欲しい」と思っている人が探しづらいのはもちろんのこと、「ベージュの肌着は透けない」ことを知らない人が売り場にきて「へー、そうなんだ」と思い、夫や息子のために女性が購入したり、仕事帰りや休日に訪れたビジネスマンが「買ってみよう」と購入するきっかけになるような売り場づくりをしてこそ、PVも含めたすべてのコーナーが活性化するのではないかなと思います。
 
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冒頭であげた製品のほか、「透けにくいステルスカラー」ということで、ベージュというよりはグレーよりの色合いの肌着も別のメーカーから発売されています。
 
透けてかっこ悪いからと、肌着を着ない若い人もいるのだとか。でも、本当は肌着を着たほうが汗を吸い取ってくれるので体感温度が下がるし、快適です。今は、ずいぶん繊維が進化していて、通気性その他に優れているということも、まだまだ知られていないことのように思います。
 
「そういうのが欲しかったんだ」という人に伝わるパッケージ、POP、売り場だといいですね。
 
 
*神原サリー*