2013年02月20日

エレベーターの「閉まる」「開く」ボタンから、ユニバーサルデザインについて考える

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

日々、取材などで外へ出るたびに戸惑うことの1つに、エレベーターの「閉まる」「開く」ボタンのことがあります。一目見てわかるように、扉が閉まろうとしているのか、開こうとしているのか、本当によくデザインされているボタン(マーク)だと思うのですが、いざ押そうとすると瞬時に判断できなくて、「開く」を押すつもりが間違ってしまって、誰かが入ろうとしているのに扉を閉めてしまって「ごめんなさい!」となることが多々あるのです。

先日、打ち合わせで訪れた某出版社の入っているビルのエレベーターには、マークの下に「ひらく」「しまる」という文字が記載されていて、「これはわかりやすい!」と思いました。しかも「閉まる」「開く」という漢字ではなく、ひらがな表記というところが秀逸です。どんな年齢にもわかりやすいということもありますし、『もんがまえ』の漢字を使ってしまうと文字がごちゃごちゃして、視覚的にわかりにくくなる恐れもありますが、ひらがななら、その言葉がすぐに目に飛び込んできます。

瞬時に判断できなくて間違うことの多いものはもう1つ。透明なガラス扉などによくある「Pull」と「Push」の表記です。本当に初歩的な英語ですし、「Pull=引く」「Push=押す」ということは重々承知しています。でもね、なぜだかこうした扉を見ると「どっちだっけ?」と迷った挙句に、とりあえず「押して」しまって、「間違えた〜。恥ずかしい・・・」ということになるのですよね。

ということについて、先ほどTwitterに画像付きでつぶやいてみたところ、かなりの数リツィートされ(自分のフォロワーに知らせる)、同様の失敗をした人のコメントが寄せられて、その反響の大きさにびっくりしました。実はみんな困っていたのですね。「欧州では『閉まる』ボタンはないですよ」という指摘もあって、今度の海外取材の際にはちゃんとチェックしてこようと思いました。

中でも「なるほど!」と思ったのが、最近のオシャレな商業ビルやレストランなどでは、トイレの男性用・女性用がわかりにくいという指摘。確かにそうですよね。女性を描いているのやら、男性を描いているのやら、一目ではわかりづらいマークが増えてきているように思います。

AV機器への日本語表記の有無もそうですが、わかりやすさとデザイン性というのはなかなか両立するのが難しいもの。何にでも日本語での説明を加えてほしいとは決して思わないのですが、エレベーターのボタンについては私的には「しまる・ひらく」に一票を投じたいと思います。

『街のデザイン』、これからも気をつけて観察していきます。




posted by 神原サリー at 14:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 街のデザイン

2010年04月14日

使いやすさと美しさと―UDについて考える

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
今日の話題は、マーケティングとはちょっと離れていますが、街角ウォッチングとでもいいましょうか、気になったもののことをお話したくて。先日、お台場海浜公園駅のすぐ近く、デックス東京ビーチにオープンしたばかりのレストランに行ってきました(こちらについては、またあらためてご紹介します)。
 
帰りがけに立ち寄ったトイレで、ペーパーホルダーに目をやると、その向こうにポールが付けられて一体化したデザインになっています。何のためにこんなポール(棒)がついているのだろう、単なるデザイン?…と思ったのですが、これ、手すりだったんですね。
 
私はおかげさまで、まだ足腰が弱ってはいませんが、試しにここをもって立ちあがると、とても楽でした。お年寄りにはうれしい気配りでしょう。 
 
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ドア寄りの方向から見てみると、こんなデザインになっています。すっきりして美しい。使いやすいユニバーサルデザインでありながら、ムダがなく、見た目も素敵…というのはいいなあと思いました。
 
これからPOPだけでなく、こんな「街のデザイン」も紹介していこうと思います。
 
 
posted by 神原サリー at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 街のデザイン