2012年12月27日

これこそ少子化対策!?日本交通の「陣痛タクシー」と「キッズタクシー」に思うこと。

jintsu.JPG

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

日本交通が今年5月から始めた「陣痛タクシー」というサービスをご存じですか? 事前に無料登録をしておくだけで、利用料金+無線での迎車料金400円で出産予定日や急な陣痛の際にも簡単にタクシーを呼ぶことができるというもの。対象エリアは東京23区、三鷹市・武蔵野市に限られていますが、登録者数はかなりの数にのぼり、毎日相応の利用者数があるといいます。

何を隠そう、2人の息子たちの出産経験がある私。特に長男を出産の際には家でのんびりとし過ぎてしまい、気が付いた時には破水して「生まれそう!」という事態に。慌ててタクシーを呼んだものの、すぐには難しいと言われ、恥ずかしながら救急車のお世話になったのでした。そんな私なので、こうした「陣痛タクシー」という試みはとても魅力的に思えます。

日本交通が「陣痛タクシー」開始 妊婦に細心の注意 - SankeiBiz(サンケイビズ)


5月日配信されたニュース記事によれば、『同社は、すべての乗務員を対象に、「妊産婦搬送時の注意事項と対応」と題した講習会を実施した。助産師の指導の下、妊婦の緊急時に慌てず、焦らずに対応できるよう教育し、安全性を高めている』とあります。これなら、もしもの時にも心強いし、家族がそばにいないときに陣痛がきても、落ち着いてタクシーを呼べますよね。

少子化対策云々がよく話題になりますが、こうした出産時の不安を1つでの払拭することも、案外大きいのではないでしょうか。

日本交通のサービスは、この「陣痛タクシー」だけではありません。子どもをドアtoドアで目的地に送り迎えする「キッズタクシー」というものもあるのです。

kids.JPG

子育て経験者、保育士、普通救命講習、救急救命法メディック・ファーストエイド小児プログラムの資格者等で構成された乗務員が担当し、最初の1時間は4550円、その後30分ごとに2050円とのこと。

陣痛タクシー利用時から、こうしたキッズタクシーを利用するまでにはある程度の年月がかかるだろうなと思ったのですが、いいえそんなことはないのです。陣痛タクシーを利用したママと子どもが退院の際や1カ月検診などの健診の際にも利用できる仕組みになっていて、チャイルドシートやジュニアシートも無料で用意してくれるとのこと。至れり尽くせりですね。

日本交通のホームページには、グループ内の7000名のドライバーから選抜された「エキスパートドライバー」が顔写真やプロフィル付きで紹介されています。どの写真も本当に気持ちのよい笑顔で、「これなら安心して任せられる」と誰もが感じられるのではないでしょうか。

今回のサービスについて、たまたま仕事の途中で乗り合わせたタクシー内にあったパンフレットで知ったのですが、まさに少子化対策にもつながるものだなと感心した次第です。元々の強みを生かして、それを発展させ、独自のサービスや製品づくりにつなげるということ、これからのキーワードになりそうです。





2012年12月25日

オフィスのロングセラー商品を「暮らしの便利商品」に〜PLUSのメクールポケットにみる発想の転換

PLUS_1.jpg

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、付箋などを購入した文具店のレジのところに、「指先のスベリ止めクリーム」と名付けられたキーホルダータイプのものが置いてありました。手書きのPOPには「スーパーのレジ袋やビニール袋が開かなくて、困ったことありませんか?」とあります。

すでに会計を済まそうとしている段階だったのですが、「これも買います!」と追加で購入してしまいました。

わが家では週末に1週間分の生鮮食品などをまとめ買いするため、買い物かごに山盛り2杯分くらいの分量になります。肉や魚などの生鮮食品については備え付けのビニル袋に入れているのですが、これがなかなか開かなくて一苦労なのですよね。時として、指先をなめてみたり、野菜や豆腐についている水分を利用して指先を濡らしてみたり。夏の間はそうでもないのですが、秋〜冬は空気が乾燥しているからでしょうか。滑ってしまって困るのです。

それで、いつも家人と話題にしていたのが「携帯用の滑りどめみたいなものがあったら売れるんじゃないかなあ」ということでした。

家人「あれば便利かもしれないけれど、わざわざ買うかな?」
私「困っている人、多いと思うし、『こんなのあります』がきちんと伝われば売れるんじゃない?」

なんて度々話題にしていたのですが、まさにそんな商品が発売されていたとは!

PLUS_2.jpg

500円玉くらいの大きさのケースに、アロエエキス配合の滑りどめクリームが入っていて、いつも携帯できるようにチェーンがついています。

PLUS_3.jpg

開けてみると、こんなふう。先週末の買い物の際にさっそく使ってみましたが、袋詰めの作業が断然効率的にできて、うれしくなってしまいました。

ところでこの「メクールポケット」という商品、いつ発売されたものなのか気になり、調べてみたら、今年の10月17日に発売開始されたばかりの新製品だったのですね。

ニュースリリース/プラスからの新提案 めくる時、もうイライラしない!指先のスベリ止めクリーム 携帯用「メクール ポケット」新発売-

おもしろいなあと思ったのは、この滑り止め「メクール」というのは、オフィス用として1967年から愛用されているロングセラー商品だということ。それを45年の歳月を経て、“暮らしの便利商品”へと転化させたことが素晴らしいなと。

etc_prd01.jpg

こちらがオフィス用の「メクール」。水の入らない滑り止めとして、愛用されてきたのですね。

ちなみに「メクールポケット」ですがアロエ入りのグリーンのもののほかに、コラーゲン配合のピンクのものがあり、ケースの中のフィルムを差し替えることで、自分仕様のケースにカスタマイズできるようになっています。これからの1つのあり方として、家電もそうですが『カスタマイズ』っていうのは外せないと思うのです。

しかも、プラスのサイトには、着せ替え画像がダウンロードできるようになっているのですよ。単価210円の安価な商品ではあるけれど、細かな点まで配慮が行き届いていて、あっぱれ!と思いました。メクールポケットのサイトはこちら

point3-image.jpg

まだ、発売されて2か月なので、こうした便利なものがあることを知らない人も多いことでしょう。今後は、スーパーのレジ脇のスペースに陳列して、ぜひ多くの人に知ってもらいたいし、そうすれば大ヒット商品になるかもしれないと密かに期待しています。




2012年11月19日

拡大する“袋麺市場”、今こそ全国各地の個性派の台頭を!

IMG_0585.JPG

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。


東洋水産の袋麺「マルちゃん正麺」が売れている。同製品の特徴は、生麺のようなコシのある食感にある。昨年11月の発売開始当初、同社は年間100億円を販売目標としていたが、200億円に上方修正。生産ラインを増設し、対応する(YAHOO!ニュース)


最近、何かと話題の袋麺。マルちゃん「正麺」が年間販売目標を2倍に上方修正したことも注目に値しますが、何より、カップ麺にお株を奪われていた袋麺市場が「シェア争い」ではなく、2008年から2010年まで3年連続で縮小傾向だった「即席袋麺」市場が、2011年度は前年比105%増のプラスに転じ、「市場拡大」していることがものすごいことなのだなあと思います。

「正麺」のほかにも、カップ麺の人気ブランド「日清ラ王」の袋麺を8月27日より関東甲信越・静岡地区で先行発売。サンヨー食品は「サッポロ一番 麺の力」を発売。明星食品「チャルメラシリーズ」も7メニューのリニューアルをしています。この袋麺戦争ですが“戦争”というくらいですから、敵対するものがあってこそ。こんなふうに、いわゆる即席麺市場の王道たちが、『本格的な麺の食感』をキーワードに新製品やリニューアル製品を投入して、さらに市場を活気づけようとしているのですね。

でも、袋麺って実は全国各地で人気を集めている“知る人ぞ知る”個性派麺もけっこうあることをご存じですか?

maruyama_shirokuma.jpg

これは、某大手酒店の売り場ですが、いわゆる“棒ラーメン”的なラーメンのほか、四角い袋入りの即席麺が個性豊かに勢ぞろいして実に楽しいのです。

中でも、異彩を放っていたのが、白地に目と鼻を描いた「白くま塩ラーメン」。にぎやかな彩りのデザインが多い中で、「え?これ何?」と思わず手に取らせるシンプルかつインパクトのあるデザイン。調べてみたところ、このラーメンは札幌の円山動物園で人気の白くまをモチーフにしてデザインされたコラボ商品とのこと。

麺は生麺を丸3日間熟成乾燥させ、コシのある麺に仕上げ、スープは香味野菜の旨みたっぷりのあっさり塩味。札幌円山動物園は絶滅危惧種に指定されたホッキョクグマの飼育と繁殖に取り組んでおり、この商品の売上の一部は同園に寄付されるそうです。

IMG_0586.JPG

ということで、私自身も思わず1袋購入。1袋160円だったので、普通の袋麺よりは少し高めだったけれど、買わないわけにはいかなかったのでした。

先の売り場の様子を見てもわかるように、日本各地のこだわりの袋麺というのはけっこうたくさんあるものなのです。せっかくの袋麺人気なのですから、大手ばかりの製品を置くだけでなく、こうした個性派麺にも脚光を浴びさせてほしいところ。

拡大している市場だからこそ、新たな切り口で更なるファンを獲得すべく、メーカーもお店も工夫をしてほしいと思います。


2012年10月24日

ケルヒャー ジャパンの成長理由は“カスタマーセントリック”

Impress201211.jpg

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

毎月、連載執筆をしているマーケティング専門誌、月刊「アイ・エム・プレス」2012年11月号が発売されました。いつも業界情報を切り取る「ふぉーかす」というコーナーの『メーカー』というジャンルのページに原稿を執筆しています。

今号で取り上げたのは、高圧洗浄機で知られるドイツのメーカー「ケルヒャー」の18番目の現地法人となる『ケルヒャー ジャパン』の顧客満足度を高める社員たちの取り組みについて。

ケルヒャーは業務用・家庭用を合わせて、世界190カ国で約3000種類の製品を展開している世界最大の清掃機器メーカーですが、ケルヒャー ジャパンは世界第5位の売上を誇り、昨年11月には100億円の売り上げを達成しています。

そんなケルヒャー ジャパンの2012年度の目標は「社員満足&顧客満足ナンバー1」というもの。社員の満足度が高さが顧客満足度にもつながるというのが社長の佐藤八郎氏の考え方なのです。

8月に宮城県にある本社や家庭用製品修理センターを訪れて、取材をしてきましたが、修理センターでの取り組みについては目を見張るものがありました。中でも心に残ったのが顧客へのアドバイスレターやフォローアップの電話です。修理依頼品をみると、顧客がどんな使い方をしたのかが予測できるため、今後再び不具合を起こさずに快適に使ってもらえるようにと、懇切丁寧なアドバイスレターをいうのです。製品購入から修理依頼までの期間が短い人には、さらに電話をして説明をすることもあるという念の入れよう。

しかも、このエピソードにはまだ裏があって、こうした取り組みは社員が自発的に行っていたことで、社内で決められたことではないというのです。たまたま佐藤社長の知人がケルヒャーの製品の修理を頼んだ際に、こうした対応が行われていて素晴らしいと社長に連絡。そこではじめて、そうした取り組みが行われていることを知ったとのこと。

まさに「社員満足度=顧客満足度」なのだなと思わされるエピソードではありませんか。ケルヒャーが全世界に掲げる中期戦略のキーワードは「カスタマーセントリック(お客さま中心)」だといいます。IFAでドイツ本社のブースも取材してきましたが、世界1の清掃機器メーカーとなって多くの人に愛される理由がわかったような気がします。



本誌では、もう少し丁寧に説明していますので、興味をもたれた方はぜひ。

■月刊「アイ・エム・プレス」 http://www.im-press.jp/magazine/index.html


vol198.gif

2012年10月22日

宮崎県庁にみる“おもてなしの心”の大切さ

miyazaki_kencho.JPG

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、出張で宮崎に行ってきました。福岡、佐賀、長崎には何度も行ったことがあるのですが、宮崎は初めてのこと。初日の仕事が早めに終わったので、“観光名所”の1つである宮崎県庁に足を運んでみました。

JR宮崎駅から徒歩10分程度のところにある宮崎県庁ですが、外観の写真だけでも撮って帰ろうと思っていたところ、門のところにいた警備員の方がにこやかに「どうぞ中に入ってみてください」と声をかけてくださいました。それならせっかくだからと、そのまま奥の入り口へと足を進めると、入り口付近に立っていらした職員の方もにこにこと笑顔で声をかけてくださり、「これが資料になります」と県庁の歴史などを記した印刷物を手渡してくれたのです。

歴史ある建造物のあちらこちらに、まるで博物館のごとく説明書きがあり、館内ですれ違った職員の方が「ここを進むと、ぐるっと一周できるのでどうぞ」と案内してくれます。

決して押しつけがましくなく、のんびりとした口調なのですが、絶妙なタイミングで声をかけてくれるため、来訪者がとてもリラックスできるのですよね。こうしたサービスこそ、まさに「おもてなしの心」なのだと実感しました。

翌日、利用したタクシーの運転手さんの話によれば、前知事の東国原英夫氏の功績は本当に大きかったとのこと。4年の任期の間に宮崎県の知名度を高め、観光客の数を増やし、産業を活性化させたことは揺るぎない事実のようです。東国原氏が任期満了後は、明らかに県庁を訪れる人も減り、観光客そのものも減少傾向にあるそう。でも、宮崎の名産品のことなど、広く知れ渡ったので、そんなにすぐには忘れられないはずなので、これからは自分たちががんばらないと…と話してくれました。

かくいう、このタクシーの運転手さん自身も、おもてなしの心がいっぱいで、慣れない土地での移動を本当に助けてくださったのでした。

たぶん、宮崎県民ならではの穏やかでのんびりとした気質や、訪れる人を温かく迎えようという“おもてなしの心”と、東国原前知事の熱心なPR活動は根源が同じところにあるのではないでしょうか。

「おもてなし」とは、表も裏もない心でお客様を迎えること、言い換えると、見えるところもそうでないところも同じ気持ちでお客様を迎える・・・ということでしょうか。

サービスの真髄とは「おもてなしの心」にあるというのは言い古された言葉かもしれませんが、宮崎を訪れて、そんなおもてなしの心に直に触れ、その大切さを心に刻んだのでした。

2012年10月18日

ビックカメラ×ユニクロ、コラボで生まれた“デザイン洗濯機”

biccro_3.JPG

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

昨日はテレ東さんの番組のロケ、そして今日は女性誌の撮影と、連日新宿の「ビックロ」にお邪魔しています。たくさんのお客様が来店している中で、テレビカメラの前で話したり、時には演技をしたり、モデルさんのようにカメラの前でポーズをつくるのは、気恥ずかしかったりもしますが、その一方で、ビックカメラ、ユニクロの双方の広報担当の方と知り合うことができ、いろいろとお話をうかがうことができて、よかったなと思っています。

まだ9月27日にオープンしたばかりのこともあって、あちらこちらで話題になっているビックロですが、コラボレーションによる思いがけない相乗効果がどんどん生まれていて、常に模索しながら進化しているのが、このビックロのよう。

今日、ユニクロのほうの売り場で目を引いたのが、何と、パナソニックの「プチドラム」にカラフルなドット柄を施した“デザイン洗濯機”。通常のプチドラムにドット柄のステッカーを張り、その表面をラッピングしているものなのですが、私の撮った写真よりも現物はずっとずっと可愛いしオシャレ。それをユニクロのドット柄のファッションに身を包んだマネキンと一緒に展示しているのですから、本当に楽しい売り場になっています。

元々、「プチドラム」というのは、これまでドラム式洗濯機を置きたくても、大きすぎて置けなかった人のために、マンションサイズに小型化して誕生したもの。つまり、新宿東口のユニクロを訪れるような世代にぴったりの洗濯機なのですよね。

それに加えて、ユニクロの来店客のイメージに合わせたような「デザイン洗濯機」を提案して注目させる・・・いいですよね。ドット柄はいらない人でも、「あれ?こんな小さなドラム式洗濯機あったの?」と注目してもらえるきっかけになりますもの。

進化なのか、変化なのか・・・とにかく日々変わっていく売場や商品提案力に目が離せないなと思います。

biccro_4.JPG


2012年10月14日

“顧客視点アドバイザー”がメジャーな肩書きになった日。

kokyakusiten.jpg

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

私が自ら名付けた肩書き「顧客視点アドバイザー」を名乗ってから、すでに6年になります。当時は、「株式会社神原サリー事務所」をおこしておらず(この10月30日で丸4年)、友人と2人で立ち上げた「合同会社Asty&Sally」(2006年12月〜2008年9月)のころ、2人でずいぶん考えて生み出した肩書きが「顧客視点アドバイザー」だったのです。

このころ、私自身は家電分野で日経トレンディネットに執筆をしたりと、いわゆるジャーナリストとしての活動をしていましたが、Asty&Sallyで目指したのは、『企業と生活者の橋渡し』ということ。よく“女性視点”とか“生活者視点”という言葉は使われますが、そうではなく、もう少しマーケティング的に説得力のある言葉を使いたいと思い、編み出したのが「顧客視点アドバイザー」だったのです。

「顧客視点アドバイザー」の名称は、合同会社Asty&Sallyを解散し、個々に歩んでいくことになったあとも、個々に名乗っているので、検索してみてもあがってくるのは私か彼女のいずれかでした。

kokyakusiten_2.jpg

これが、当時(まだ本名で仕事をしていたころ)の名刺です。

その後、家電分野で、自分自身がジャーナリストとして執筆する以外にも、さまざまなメディアから出演依頼があり、その際の肩書きとして「顧客視点アドバイザー」を名乗ろうとしたことも多々あるのですが、世の中に周知されている肩書きではないことなどから、新聞や雑誌ではなかなかこの「顧客視点アドバイザー」を取り上げてもらえませんでした。

また、家電関連ではやはり「家電〇〇」と名乗ったほうがわかりやすいこともあり、「家電コンシェルジュ」という肩書きと併記して名刺を作るようになったのです。一般の生活者向けに名乗るときには「家電コンシェルジュ」であり、メーカーさんなどの企業の方へのコンサルティングの仕事の際には「顧客視点アドバイザー」と名乗るようにしながら、地道に活動を続けるうちに、どちらも広く認めてくださるようになり、とてもうれしく思っています。

今では、新聞・雑誌・テレビ等での紹介の際には「家電コンシェルジュ&顧客視点アドバイザー」としてプロフィルを紹介されることが多いですし、そして先日のCEATECでの講演の際にも「家電コンシェルジュそして顧客視点アドバイザーとして活躍されている」という表現で紹介していただきました。

そして、今回、びっくりしたのが、ITビジネスアナリストの大元隆志氏が、Yahoo!ニュースに新設された「個人カテゴリ」の中でオーサーとして執筆を開始する際に、自らの肩書きを「ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー」と名乗っていること。この記事で、大元氏は「一顧客」という視点で、「消費者からすればこう見えているのでは無いか?」ということをメーカや業界に訴えかけていきたいという思いで『顧客視点アドバイザー』と名乗るようにした」と書いています。

私自身がこのブログの初回に下記のような記事を書いたときの気持ちと同じなんですね。

ご挨拶にかえて: 神原サリーの顧客視点マーケティング

実は、大元氏とは今年の4月初旬に開かれた、IT関連に造詣の深い方々が集まるお花見の会で初めてお目にかかり、まさに意気投合して、1時間くらい熱心に話しこんだのでした。そうした経緯があるので、大元氏が私の「顧客視点アドバイザー」という肩書きに強い関心を持ってくださったのだなと、感慨深い気がしています。

消費者の思いや願いを企業に伝え、企業の思いを生活者に伝える橋渡し役でありたいと願って、自ら名付けた「顧客視点アドバイザー」という肩書きが、これからもっと広まるかもしれません。でも、その一歩を踏み出したのがまだヒヨッコだった2006年当時の私だったこと、ここまで続けてこられたことを誇りに思って、これからも歩き続けたいと思います。

author_hdr_oomoto_b-300x78.jpg
大元 隆志の記事一覧 - 個人 - Yahoo!ニュース



2012年10月12日

新宿「ビックロ」の売り場を見て思うこと

biccro.JPG

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

9月27日にオープンした新宿の「ビックロ」に、ようやく行くことができました。ビックカメラとユニクロのコラボレーションによる、その名も「ビックロ」。話には聞いていたけれど、どの程度融合した売り場ができているのかと興味津津だったのです。

私は丸ノ内線の新宿三丁目駅から直結している地下の入り口から入ってしまいましたが、1階のエントランス部分には、こんなふうにユニクロのウルトラライトのダウンベストを着たマネキンが、エレクトロラックスの人気クリーナー「エルゴラピード」を持っていて、「おお!」とうなってしまいました。カラフルですし、楽しいです。ユニクロとビックカメラ(=家電)が融合しているなあということを象徴していますよね。

biccro2.JPG

右手には同じくダウンベストを着たマネキンがダイソンのクリーナーDC46を手に持って掃除をしているではありませんか。ベストのカラーとクリーナーのカラーを合わせているところもお見事です。

実際にはユニクロとビックカメラの売り場は階によって分けられていて、エントランスでの展示はあくまでイメージではあるのですが、それでも生活家電売り場の暖房家電のコーナーのそばに、ユニクロのリラックスウェアなどが展示されていたりして、それとなく誘導しています。

数年前の倉庫のような家電量販店から見たら、ずいぶん様変わりしたと思いますし、異業種とのコラボはこれからの店舗のあり方を示していると思います。ただ、1階以外は、まだこなれていない感じなので、さらにもう一工夫が欲しいところ。

来週水曜日には、テレビのロケで再び「ビックロ」さんにお邪魔するので、理想の形はどんなものなのか、さらに考えてみたいと思います。

2012年10月08日

先見の明!?8月に書いた記事と同じテーマが、またまた日経MJに登場です

MJ_20121005.jpg

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先週、10月5日の日経MJ14面では東京都町田市にある電器店「でんかのヤマグチ」のことが大きく取り上げられていました。

このコーナー、先日も「西友のKY TIMESのこと再び〜顧客に何を伝えるか」という記事にてお伝えしたように、1か月前にここで取り上げた西友のフリーペーパー形式のチラシ「KY TIMES」のことが、同じ視点で記事にされていて、私の目のつけどころは間違っていなかったのだなと思ったわけですが、またまた、私が8月7日にここで取り上げた『粗利益率38.9%、「でんかのヤマグチ」の見える化とは?』と同じ内容。

最も、私の8月7日の記事のそもそものきっかけといえば、日経MJと同じ系列の日経トップリーダーなので、決して私の記事がヒントになって、MJの記事になったなんてことはないと思うのですが、いずれにしてもMJよりも先行してここで取り上げていることをうれしく思っています。

-----

先日、ご紹介した 『サトーカメラ』にしても、『でんかのヤマグチ」にしても、独自の手法で顧客と向き合い、大手家電量販店とは異なるアプローチ(=価格競争ではない)でがっちりと顧客の心をつかんでいるのですよね。

まだ、どちらのお店にも実際には足を運べていないので、ぜひお店を訪れて接客を受けてみたいものだと思っています。



2012年10月04日

買い物に行けないママのためのサービス「Amazonファミリー」、さすがです。


こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

Amazonの新しいサービス「Amazonファミリー」をご存知ですか。私は、Amazonプライム会員になっているため、当日もしくは翌日配達のお急ぎ便を利用でき、本当に便利だなあと思っています。3900円の会費は必要だけれど、それこそ消しゴム1個からでも無料で配達してくれるし、重いものでも、家のドアまで配達してくれるなんてある意味夢のようです。

こうしたお届けサービスは、働いている女性やネットに抵抗のないシニア層にも便利ですが、実はよく考えると、出産直後や赤ちゃんを置いたまま買い物に行くわけにはいかない「ママ」が一番、「よかった!」と感じるもののはず。

今回の新しい「Amazonファミリー」サービスは、普通の Amazon プライムとは違って、定期おとく便だとおむつやおしりふきが15% off になったり、限定サービスやセール等のお知らせがあるもよう。しかも、最初の3ヶ月間無料でスタートできるということで、まずはファン作りをして末永く利用して欲しいという作戦のようです。

こうしたサービスを新たに立ち上げなくても、普通にAmazon プライム会員になって、お急ぎ便や日時指定サービスを利用して、おむつを買ったり、日用品の買い物に役立てばいいのかもしれないけれど、「Amazon ファミリー」という名前をつけることで“私へのサービス”だと気づかせてくれるところが、さすがとかと思うのです。

今あるサービスを上手に使える人だけではなく、こんなサービスもあったのだと気づかせてくれること、実は大切ですよね。それはサービスてなくても何かの製品でも同じこと。それは私には関係ないと思っている人に、「これいいな」と思わせること、新たな提案が大切なことだと思うのです。