2010年12月01日

「お掃除するのは、ルンバの仕事。〇〇するのは、あなたの仕事。」

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先週末くらいから、自動掃除機「ルンバ」の新しいCMが流れるようになりました。「天才!」とわが子を溺愛する両親の声と、思わず頬にさわりたくなるような可愛らしい赤ちゃん。その足元で、ルンバが黙々と掃除をしている様子が映し出されます。

そして…「お掃除するのは、ルンバの仕事。愛されるのは、あなたの仕事。」の文字。

これは「赤ちゃん篇」ですが、もう一つ「夫婦篇」もあって、かなりシビアな状況の様子。どうやら、夫の携帯電話を妻が見てしまったようで、「妹だよ妹」という夫の弁解に、「妹ならダーリンなんて呼ばないでしょ」と妻の冷たい言葉。そんな取り込み中の夫婦の足元では、先ほどの赤ちゃん篇同様にルンバが淡々と掃除をしているというシーンが流れるのです。

「お掃除するのは、ルンバの仕事。話し合うのはあなたの仕事。」


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どうやら、メインターゲットは30〜40代としているようで、子育てや仕事に忙しい人たちへの“時短家電”ということを、よりアピールしていこうというのが狙いなのですね。

これまで、主婦の嫌い(苦手)な家事といえば、1位:アイロン掛け、2位:掃除などと言われていました。どんなに便利で高機能な家電があったとしても、最終的には人間の手を借りて行わないとならない家事で、洗濯や炊飯のように“家電にまかせっきり”ということができないからというわけです。それを覆したのが、この自動掃除機「ルンバ」といえるでしょう。

今回のCMでも、掃除はルンバにまかせることで家事の時間を短縮し、その分、思いっきり子どもを可愛がったり、時には夫婦で話し合いをしたりと有効に使えますよと伝えています。ルンバの掃除機としての実力が認められ、普及率も高まってきたからこその、いわば第2段階ともいえるステップにきたのだとあらためて知らされた思いがします。

ルンバが2002年に日本に初めて登場した際には、「ルンバって本当にきれいになるの?」「部屋の中を片付けなくてはいけないし、広い家じゃないと意味ないのでは?」「おもちゃみたい」など、マイナーなイメージもずいぶんあり、その価格の高さと相俟って“新し物好きの特別な人たちの掃除機”という位置づけでした。

そんな風評を覆すべく、日本での発売当初は「お掃除ロボット・ルンバ」という名称だったのを「自動掃除機ルンバ」に変更。おもちゃっぽいイメージから、きっちりと掃除をしてくれる実力派の掃除機ということを訴求するようにし、モニターキャンペーン等を繰り返してじわじわと口コミでその便利さが伝わるようにじっくりと時間をかけてきたことが、2010年の大ブレイクと、さらなる訴求につながったのでしょう。

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★ルンバを開発した米国アイロボット社のこと

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ここでもう一つ、ルンバを開発した米国「アイロボット社」のことについて、少しご紹介したいと思います。アイロボット社は、マサチューセッツ工科大学の研究者らによって設立された会社で、今年創立20周年を迎えました。それを記念して、今年10月には、同社のCEOであるコリン・アングル氏が来日、外国人記者クラブで会見を行っています。

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私も出席しましたが、ここでの話でとても興味深かったのが、日本人は「ロボットというと二足歩行のものを考え、かっこいいものを作りたいと考えてしまうが、ロボットとは人間が必要としている作業をしてくれるものであり、研究やデモンストレーションだけでなく、売れるものを作って商品化しなければ意味がない」というものでした。

この20年の間に失敗を重ねながらも14のロボットを作り、ビジネスモデルを構築してきたアイロボット社ですが、現在北米の200ドル以上のクリーナー市場のうち、10%のシェアをルンバが占めるまでに成長してきたとのこと。「イスにぶつかってひっくり返ってしまう」「コードに絡まってしまって困る」というような、課題を解決しながら、消費者の役に立つ知能を持ったものにバージョンアップしてきたことが多くの支持を集めたのだと力説していました。研究者やロボットオタク(←こんな言い方をしていました)のものではなく、実際に使えるロボットでなければならないのだと。

「ハード、センサー、ソフト」の3つが重要なキーワードだが、これからのロボットはソフトウェアの開発に重点が置かれるだろうとも。

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アイロボット社は、軍事用の多目的作業ロボット「パックロボット」を作っており、爆弾処理などでも活躍しています。こうした技術や人工知能が自動掃除機ルンバにも生かされているのは、周知の事実。部屋中をくまなく、しかもエネルギー効率のよい掃除の仕方で行うという実力の裏付けにもなっています。

10月の外国人記者クラブでの会見も、便利な自動掃除機として認知度がかなり高まったルンバを、今一度技術の側面から見てもらうことで性能の高さをアピールするものだったのではないでしょうか。

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最後に、再びCMの話に戻りますが、子育て世代や共働き家庭に照準を当てた“時短家電”という位置づけも大変興味がありますが、私個人としては、今後シニア層や介護をしている人のいる家庭にも広めてほしいと思っています。腰をかがめたり、重い掃除機を引っ張って掃除機をかけるのが辛いという人たちにとって、ボタンを押すだけで掃除をしてくれるのは本当にありがたいことのはず。介護に追われる人にとっても、掃除の手間をルンバが引き受けてくれたら、どんなに助かることでしょう。

でも、まずは30〜40代の人たちに積極的に使ってもらい、それを見た“親世代”に広まっていく…という流れのほうが自然なのかもしれませんね。

2002年に日本に登場しながらも、一度消えかかっていたルンバに脚光を当て、時間をかけて広げてきた日本正規総代理店「セールス・オンデマンド社」の手腕は注目すべきものがあります。ルンバのさらなる人気上昇に火が付くでしょうか。期待がかかります。

(※INSIGHT NOW!に寄稿したものhttp://www.insightnow.jp/article/6084とほぼ同じ文を掲載しています)

2010年11月25日

笑った時に見えて、悔しい時に密かに支えてくれるものとは?

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

現在、家人が歯の治療中なのですが、「さて、どれにするかな」と言って歯科医からもらったパンフレットを広げました。歯の治療というと保険外治療だったり、治療に長い期間がかかったりと、費用も時間もかかってしまうという印象がありますよね。でも、そうした不安を払しょくすべく、最近の“歯医者さん”は、いろいろ工夫をしているようです。

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もらってきたパンフレットには、奥歯のかぶせものについての種類や料金、保障期間が明瞭に書かれていて、かかっている人が自分で選べるようになっています。

一番高いのは「オールセラミクスクラウン」という、金属を一切使用しない最新の治療法で1歯70,000円! 奥歯のかぶせものも「金歯」だけはなくて、ずいぶん進化しているのですね。

で、私がおお!と感激したフレーズがこちら。

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「奥歯は笑った時に見えて、悔しい時に、密かにあなたを支えます。」

…なんと心に響く言葉でしょう。見た目もよくて丈夫なものにしたいと思わずにいられません。金銀のものよりも、せめてハイブリッドセラミクスにしようか、いっそ最高級のもののほうがいいだろうか、なんてね。

それは冗談としても、“奥歯の大切さ”について、治療をしている人でなくとも考えさせられる名言だなあと思います。

歯のメンテナンス、していますか?

posted by 神原サリー at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | このPOPに惚れました♪

2010年11月15日

粟飯原理咲さんとの5年ぶりの再会と、「朝時間.jp」の人気コーナーが生まれた理由と

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。

先日、「朝時間.jp」「おとりよせネット」「レシピブログ」「子育てスタイル」などの人気サイトを運営するアイランド株式会社の粟飯原理咲さんと5年ぶりにお目にかかってお食事をする機会に恵まれました。

粟飯原さんと初めてお目にかかったのは確か7年くらい前のフリーランスライター時代のこと。私が企画した特集記事のインタビュー取材でお世話になり、それから約2年後には私が企画・広報を務めていた(そんな時代もあったのです)会社のイベントで、私が司会&ファシリテーターとなり、粟飯原さんにはパネルディスカッションのパネラーとして出演していただいたのでした。

あれから早5年。ツイッターを通じて再会するといううれしいご縁があり、「どうしてどうして今、そうしたお仕事を!?」と質問攻めにあいながらも本当に楽しくお話させていただきました。

その際に、私が大好きなサイト「朝時間.jp」(http://www.asajikan.jp/)の中でも、特に好きなコーナー、「ワールドモーニングフォトクリップ」についての話題になりました。今でこそ、早起きして1日の始まりを有効に使う“朝時間”という言葉は当たり前のようになっていますし、朝に行う勉強会や朝活本も盛んですが、そのはしりが「朝時間.jp」というサイトだと思います。時代の空気を敏感に読み取り、オールアバウト等で培ったWEBコミュニケーションを巧みに具現化していく粟飯原さんの才覚は見事だなあと尊敬してしまいます。

さて、そんな「朝時間.jp」の人気コーナー「ワールドモーニングフォトクリップ」ですが、これは『今、この瞬間も世界のどこかの国で朝が始まっている。生まれたての朝をのぞいてみよう』をコンセプトに、世界の朝レポーター(46名)が、写真とともにメッセージを伝えてくれるというもの。海外の1日の始まりをおいしそうな朝ごはんや朝やけや何気なく切り取った日常の1シーンや風景は、見る人の気持ちをなごませてくれたり、元気づけてくれたりします。

「私、本当に大好きなんですよね、あのコーナー」という私の言葉に、粟飯原さんはこんな話をしてくれました。

「谷川俊太郎さんの詩に『朝のリレー』というのがあって、とても大好きなんです。そうしたら、会社のスタッフにもやっぱりこの詩が大好きな人がいて、この詩の世界観をWEBで実現できたらいいね…ということになったの。この地球ではいつもどこかで朝が始まっている…という印象的なフレーズがあるのだけれど」

そうか、そうかそうだったのかと何だか胸がいっぱいになりながら、粟飯原さんの言葉をかみしめながら聞いたのでした。現在は海外にいる日本人のレポーターによるメッセージとなっていますが、本当はその国の人に現地の言葉(もしくは英語)でメッセージを送ってもらい、それを翻訳つきで伝えたいのだとか。きっといずれはそんなコーナーが実現することでしょう。

思いを形にすることの大切さ、WEBだからできるコミュニケーションのあり方など、たくさんのことを考えさせてくれた再会の夜でした。私も歩みは遅くとも、一歩ずつ信じた道をまっすぐに進み、みなさんのお役に立ちたいとあらためて思いました。



2010年10月08日

“売りたいもの”を売るか、“顧客が必要とするもの”を売るか

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、あるメーカーのPRその他を担当している代理店さんから相談を受けました。担当することになったという製品の一般的な知識について、消費者の求めているもの、その傾向、製品群の最近の傾向などをお話させていただいたのですが、その際に担当者の方がこんなことをおっしゃったのです。
 
「そうですか、でも、先方はこれを売りたいみたいなんですよね」
 
私がそのメーカーさんには、他者と差別化できる点がある、いい製品があるし、あまり1つにこだわらないほうがいいのでは?とたずねたときに、出たのがこの言葉だったのです。つまり、クライアントであるメーカーさんは“売りたい”と思っているものをいかにPRできるかのために、代理店にお願いしているわけで、ここには顧客はある意味不在です。
 
今日、広報コンサルタントをしている方がこんなつぶやきをしていました。
 
「自分の製品やサービスに思い入れが強すぎると押し付けになる。距離感が必要」
 
これって、先に述べた“売りたいものを売る”−だって、こんなに技術力その他を結集したよい製品なのだから…という姿勢にもつながるように思います。自信作かもしれないけれど、そこに顧客の姿が不在ならまさに押し付けになります。
 
同時期にそれ以外の製品も出していて、それはフラグシップでないとしても、それを必要としている人がいる素晴らしい製品ならちゃんとそのことを伝えていかなければならないのではないでしょうか。そして、そこを見極めて、きちんと伝える立場の人が必要のはず。
 
私はウィキペディアをあまり信用していないし、鵜呑みにはしていませんが、マーケティングの項に書いてある 
 
「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である
 
という説明にはなるほどと共感しています。商品の特性を理解し、顧客が求めるサービスや商品を理解し、最終的にちゃんとそれが顧客に伝わるようにしていくことが大切なのですよね。
 
今回の“売りたいもの”についても、これをまさに必要としている人を探し出し、その人たちの向けて訴求できるのなら、一つの方法かもしれません。でも、“売りたい”ということが先に立って押し付けになっては消費者の心には響かないことでしょう。本当はものづくりの時点での見極めからしていかないといけないのだろうなと思います。
 
 

2010年10月04日

“感動の仕掛け”のWEBショップ、続きの話。

こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
昨日、ご紹介したジュエリー工房「Orefice(オレフィーチェ)」さんの、顧客への心配りの素晴らしさ(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/41076984.html)…ですが、続きのお話があります。商品のよさだけでなく、包装や同封するレター、レビューを書いてもらうための仕掛けなどが行き届いているということをここで紹介したところ、わずか3時間後にお店の担当者からメールが届いたのです。
 
せっかくなので、うれしいメールをここで紹介させていただきましょう。
 
神原様はマーケティング関連のお仕事をされてらっしゃるのですね。さっそくブログを拝見し、大変興味深く読ませていただきました。当店の対応や梱包について詳しくご紹介いただき、ありがとうございました。大変ご満足いただけましたようで、こちらも喜ばしい気持ちでいっぱいでございます。
 
今後もオレフィーチェのファンを増やしていけますよう、また一人でも多くのお客様に感動していただけますよう、丁寧に取り組んで参りたいと思います。顧客視点アドバイザーの方からプロのご意見もいただけましたら非常に参考になりますので、何かございましたらいつでもご助言いただけますと幸いでございます。
 
(中略)
 
お届けした商品で神原様の美しさがもっともっと輝きだしますように・・・
楽天市場へのレビューの書き込みをしたり、ブログでの紹介記事を書いた場合はお知らせください…ということだったので、一応、こちらからのメールに対する返信ではあるのですが、すでに用意してあるお礼の文章のコピペではなく、きちんとレビューなりブログ記事なりを読んでの個別の内容だということがわかる返信です。
 
「お届けした商品で○○様の美しさがもっともっと輝きだしますように」という最後の一文も素敵です。
 
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昨日、このWEBショップの対応についてツイッターでもつぶやいたところ、「実際に触れ合わないからこその仕掛け。売り方をデザインする時代」との返信をいただき、まさにそのとおりだなあと。
 
『売り方のデザイン』…この言葉、心に留めておきたいと思います。
 


 

2010年10月03日

もう一度買いたいと思わせる、あるWEBショップの感動の仕掛け

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、楽天市場のサイトでアクセサリーを買いました。ちょうど欲しいなあと思ったいたものが手頃な価格で販売されていたのと、レビューの数が多く、しかもとても丁寧に書かれていて購入した人の満足度の高さに安心感があったから…というのがその理由だったのですが、注文した翌日に品物が届いた迅速さもさることながら、お店の心配りのようなものが随所に感じられて「なるほど!」と思いました。
 
同封されていた便せんには、店長さんからの手書きのメッセージがあり、購入者の名前が書かれて「私へのメッセージ」であることが伝わってきます。たとえ、その後の文章がいつも同じであったとしても、自分の名前がペンで書かれているというのはうれしいものですよね。
 
うれしかったので全文をご紹介すると…
 
神原恭子様(←私の本名です)
 
Oreficeのジュエリーをお買い上げいただき誠にありがとうございます。
 
当社では「うれしいを作る うれしいを届ける」を理念にお客様に共感していただけるジュエリーをお届けしたいと思います。
 
お買い上げいただいた製品のご感想を「レビュー」にてぜひお聞かせください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
Orefice店長 清水千栄
便せんと一緒に、レビューを書いて、お店にメールで連絡するとプレゼントがある旨の説明も同封されていました。先の店長さんからのメッセージに加え、レビュー特典があると聞けば、誰でもレビューを書くひと手間を惜しまないことでしょう。
 
楽天市場のようなWEBサイトでは、初めて購入するショップだったり、少し値の張る商品だったりする場合、レビューを参考にすることが多いと思いますが、いかにしてレビューを書いてもらえるかの仕掛けとして、このお店はとても丁寧に取り組み、顧客の心理をついているなあと思いました。
 
購入したアクセサリーは上の画像にある白い巾着に入っていたのですが、巾着をあけてみるとやわらかな紙で丁寧に包まれ、紙をとめてあったテープははがしやすいように端が一折してあり、本当に細部まで行き届いています。
 
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そしてもう一つ、このショップでは、注文時に「通常梱包(ケース、段ボール)」「簡易梱包(ケース、紙バッグ)」「エコ簡易(巾着、エコバッグ)」の3種類の梱包方法を選べるようになっていて、「エコ簡易」を選ぶと、アクセサリーがケースでなく巾着に入り、それをクッション材でキャンディみたいにくるんで、オリジナルエコバッグ入れ、透明のビニール袋に入れた状態で発送されてきます。
 
かさばらず、ゴミもほとんど出ず、エコバッグも再利用できる…という方法なのですが、さらにこのエコ簡易を選んだ場合、1配送につき30円を「乳がんほほえみ基金」に寄付してピンクリボン運動に参加する…という試みもしているのです。http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/pink.html
 
もちろん、取り扱っている商品そのものに魅力があり、品質も価格も納得のいくものであることは大前提ではありますが…初めてWEBサイトをのぞいた人には、レビューの多さやその内容で購入にまで結びつけ、一度購入した人には丁寧な対応でレビューを書かせるだけでなく、もう一度買いたいと思わせる。「ファンを作る」仕掛けというのはこういうものをいうのだなあと思いました。
 
◆ジュエリーショップ「Orefis」
http://www.rakuten.ne.jp/gold/orefice/index.html
 
 
 

2010年09月28日

キムチを赤ワインに合わせる魔法のレシピ

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、ある小冊子に紹介されていたのが「キムチヨーグルト」なるもの。なんとも意表を突く組み合わせですが、キムチもヨーグルトも乳酸発酵して出来ているものなので相性がよく、いわゆる韓国料理(漬物)のキムチが一気に洋風に変身してしまい、味わいもマイルドになるそうな。
 
どちらも気軽に手に入るものなので、試してみたくなりまして、先週末の夕げにさっそく実行してみました。
 
キムチの辛みや酸味がヨーグルトでまろやかに緩和され、違和感のない…というよりも新しい味の創造とでもいったらいいのでしょうか。最初はとろっとした舌触りなのに、キムチのシャキッとした歯触りが加わって、絶妙。
 
しかも、これがなんと赤ワインに合うんです。
 
でもね、それもそのはず、赤ワインもブドウからワインへと変化していく中で、乳酸発酵が行われているんですものね。『乳酸発酵』恐るべし!
 
ただ、しっかりした赤ワインに合わせるには、キムチにプレーンヨーグルトをかけるだけでなくて、裏ごしのカッテージチーズなどを合わせて、コクを出すといいのではと思いました。裏ごしのカッテージチーズならヨーグルトのまるやかな舌触りも損なわないし、塩味がないのでキムチの味を邪魔しないはず。
 
こんな一品なら簡単にできるし、意外な組み合わせに話題にもなるので、ワインバーとかワインを出す居酒屋さんのメニューに加えたらどうでしょう? 「ヨーグルトだけでじゃないんですよ、隠し味にほんの少しカッテージチーズも加えています」なんて、お店の人からのひと言があれば「へー!」と盛り上がること請け合いだと思うんですが…。 
 
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※一緒に写っている緑のボトルは、イタリアのエキストラバージンオリーブオイル。500ccで確か4000円弱と高価なのですが、本当に香りがよくておいしいです。パンにつけたり、サラダにかけたり、仕上がったパスタに一振りしたりと、火を通さないで使っています。
 
 
 
 
posted by 神原サリー at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | サリーのひとりごと

2010年09月26日

グンゼ「ボディワイルド」、100万通りのカスタマイズパンツの試み

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
9月中旬にグンゼさんの展示会のご案内をいただいたので、短時間でしたがお邪魔してきました。繊維業界、ランジェリー業界の方と懇意にさせていただいているのは、以前、1年弱、業界誌の記者をしていたことがあるから。すでに家電を中心とした仕事にしぼっていたのですが、即戦力のある記者を探していて、どうしても手伝ってほしいと頼まれ、「これも何かのご縁。新しい世界をのぞくのも勉強のうち」と仕事をさせていただいたのでした。
 
実際に関わってみると、毎日身につけるものでありながら、実のところ、選び方などが広く浸透していなかったり、「こんな商品がありますよ」ということが伝わらない売り場だったりと、家電にも通じるものがあり、ライフワークの1つとしてアンダーウェア&ランジェリーというのは、ずっと追っていきたい世界だなと思っています。
 
さて、前置きが長くなりましたが、先日のグンゼさんの展示会は、すでに「2011年春夏」なんですね。先を見越しての展示会というのが、家電とはちょっと違います。汗対策の肌着など、今年のものよりもさらに進化していて、「今すぐに欲しい!」と思ってしまいました。とはいえ、すべてが来春以降のものというわけでもなくて、今年の秋から始める取り組みについてのコーナーも。
 
そんな中で、やっぱりひときわ元気がいいなと感じたのが、「ボディワイルド」。木村カエラちゃんのパンパカパーンツ!のCMもそうだし、100カラーのパンツの展示もそうだし、新たな企画を次々に打ち出していて勢いがあるブランドです。
 
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で、9月21日からWEBサイトで始まっているのが、組み合わせが100万通り以上という「カスタマイズパンツ企画の「BW fit」(http://www.bw-fit.com/)。
どういうふうにカスタマイズできるのかというと、100色のボディ、100種類の腰ゴム、100種類のポケットから自由に組み合わせて選び、指定の文字の縫い取りも入れてもらえるというもの。
 
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今年2月に原宿にオープンした直営店では、この100万通りのカスタマイズパンツの販売をしていたそうですが、プレゼントなどにもいいと人気だったとのこと。全国で購入できるようにしてほしいとの要望が相次ぎ、ネットでの販売が実現したといいます。
 
実は、展示会ではプレス担当者向けにお土産代りにとひと足早くネットでの注文を受け付けてくれるということだったので、開場に設置されていたパソコンで「ボディ」「腰ゴム」「ポケット」「刺繍の文字」を選んだり、入力したりしてきたのですが、何とも楽しい!
 
たぶん、こうしたパンツを一番喜ぶだろうと思われる、長男向けにカスタマイズしたのがこれです。
 
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縫い取りにはゴールドの糸で「KEN」の文字。
 
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お尻のポケットはピンクのギンガムチェックをセレクトしました。
 
最短で、翌日発送とスピーディな対応なのもうれしく(私のところにも、展示会の翌々日に届きました)、ボディワイルドのものなので、品質もばっちり。男性用のM・Lサイズ、女性用のM・Lサイズがあり、1枚3150円で男女2枚を同時注文だと5250円とお得になるのだそうです(送料は無料)。
 
100カラーパンツもそうですが、このカスタマイズパンツは贈物に人気が出ること間違いなしではと思います。実際に原宿の直営店の反応を見ても、今年3月の卒業シーズンには、学生たちがグループで来店し、お世話になった先生へのプレゼントを選ぶ…という例が本当に多かったそう。中高校生のお小遣いレベルでもお金を出し合って買うには買いやすい値段だし、ちょっとユニークなプレゼントになりますものね。
 
クリスマスシーズンには、二人の名前を入れたり、相手のものに自分の名前を入れたりする「ペア」仕様に人気が集まるかもしれません。
 
おうちでのくつろぎが重視される中、こんな元気で明るいパンツ、いいなあと思います。

 
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ついでにもう一つ。
 
以前に、ここでもご紹介した、父の日に合わせての「パパパンツキャンペーン」(http://kamihara-sally.sblo.jp/article/38838360.html)、子どもが描いたお父さんの顔をパンツにプリントしてプレゼントしてくれるというものでしたが、100人しか当選しないのに、応募が27000件もあったと広報の方からうかがいました。
 
中には、「お金を払いますから、作ってあげてください」という問い合わせも多数あったとのこと。インクジェットプリンタの進化で、どんな絵柄でもプリントできるようになったので、お父さんの顔に限らず、いろいろな試みができそうだと言っていました。(つまり、パンツだけでなく)
 
パパパンツキャンペーンは、以前の記事にも書いたように、WEBサイトにすべての応募者の作品が載るような仕掛けにしたところも成功の秘訣だったのではないかなと思います。
 
一方通行でない、顧客とのコミュニケーション、大切ですね。


 
 

2010年09月18日

“癒し”をおしゃれに伝えるATEXの売り場づくり

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
先日、健康器具などの開発・製造メーカー「ATEX」の展示会にお邪魔し、この秋に発売される新製品を中心とした健康家電の取材をさせていただきました。健康家電の製品の特長については、「Sallyの家電研究室」(http://kaden.k-sally.jp)のほうでご紹介していますが、こちらでは商品開発や売り場づくりで注目すべき点についてお話させていただこうと思います。
 
というのも、「理美容・健康」という分野は、ここ数年、“癒し”というキーワードとともに見逃せないものとなっています。家電量販店や東急ハンズ、雑貨店などでも売り場の面積を徐々に広げ、力を入れていることがよくわかるのですが、「家電量販店」の場合、女性への訴求力には今一つ欠けているような気がします。
 
そんな折、ATEXの展示会での商品の見せ方や女性視点での企画・開発力には目を見張るものがありました。たとえば、冒頭の画像ですが、肩に乗せて使うタイプの「タッピング・マッサージャー」という商品を展示するのに、まるでオーバドゥー(フランスの高級ランジェリー)を着せたくなるようなワイヤートルソーを使い、オシャレ感をアピール。これまでシニア層向けの健康器具だと思われていた「タッピング・マッサージャー」を、30〜40代の女性たちにこそ使ってほしいという開発者の思いを、商品展示にも具現化しています。
 
もちろん、商品のデザインやカラーそのものも、あえて装飾をはずしてシンプルにする代わりに、縫い目にカラーをほどこしてキルティングするなど、細部へのこだわりが見えます。ただ、どんなに思いのこもった商品でも「これは何?」「素敵!」と思わせなければ、興味をもってもらうという商品購入の第1歩にはつながりません。
 
その点で、このワイヤートルソーを使った展示は、アパレル系の見せ方を上手に使ったお手本といえるのではないでしょうか。
 

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展示会でのいわゆるバイヤー向けの展示だけでなく、実際の売り場での展示についても商品の入った箱を横積みに「する際に、持ち手を鏡台の引き出しの取っ手に見立て、什器全体を鏡台に見せるという“仕掛け”を考えているといいます。
 
マッサージに行く時間のない30〜40代の女性たちに満足のいく商品を開発し、買い求めやすい価格(1万円程度)設定で販売したいという商品企画担当者の思いがそのまま売り場づくりにも反映しているのは見事! でもどうしてここまでできるのだろうと思って話を聞いてみると、すべて一貫した女性チームが担当しているからなのですね。
 
ATEXは元々、折りたたみベッドやマッサージチェアなどの寝具・健康器具を扱ってきたメーカーで、社員も男性がほとんどだったといいますが、近年、女性の視点を取り入れ、女性にも使いやすいものをという点に重点を置き、女性社員の意見を積極的に採用して成功しているとのこと。すでに50万台も販売したマッサージクッションにも細部にまで「女性が心を惹かれるこだわり」が反映されており、それが、結局は若い女性だけでなく男性にもシニア層にも受け入れられいてる…という点が興味深いです。
 
 
次々に開発される女性視点での癒しの健康家電、それに合わせたインテリア性の高い売り場づくり。これからも目が離せないなと思います。
 
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2010年09月16日

二人のサリー♪

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こんにちは。顧客視点アドバイザーの神原サリーです。
 
いよいよ1週間後にせまった「こども環境フォーラムin NAGOYA」の開催に向けて準備に忙しく、頻繁に名古屋に出かけています。そんな折、思いがけないご縁で知り合ったフリーアナウンサー「生田サリー」(http://sweetmints.exblog.jp/)さんにお目にかかることができました。
 
生田サリーさんに声をかけていただいたきっかけは、ツイッターでフォローしていただき、呼びかけてくださったことから。 「同じサリーさん!」と思って親近感を覚えていたところ、「実は名古屋にいることも多いので、名古屋にいらっしゃるときに、空いた時間があったらお目にかかれませんか?」とメールをいただいたのです。
 
どうして生田さんが私を知ったのかという理由が、これまたびっくりで、名古屋で開催された異業種交流会で名刺交換をしていた際に「前にお目にかかりましたよね。名刺もいただいていますよ」と、なんと私の名刺を生田さんに見せたのだそう。「いいえ、私は生田サリーですよ」「あ、違うサリーんだった!」ということになり、生田さんの頭の中に私のことが鮮明に記憶されたとのこと。その後、ツイッターのTL(タイムライン)上で、どなたかが私のつぶやきをRTしてくださり、「あ、この人が、この前のサリーさんだ」と気づいて、フォローしてくださったのだそうな。
 
実際にお会いしてお話をしてみたら、あまりの興味関心が似ていて、とても初対面とは思えず、次から次へとお話したいこと、聞いてみたいことがあふれ出てきて、時間が足りない! このことについては、生田サリーさんもブログに書いてくださっていますが、アナウンサーとライター(記者)という職業の違いはあれど、人と会って話を聞くのが好き、「インタビュー」を何よりも好きだし得意としているという点にお互い気付いた時には、本当にうれしくなってしまいました。
 
現在、生田サリーさんは、フリーアナウンサーとしてご活躍されているだけでなく、ボイストレーニングの講師(そんなサリーさんに“声”をほめていただいてうれしかった!)や女性の幸せを考えていくワークショップ「Sally's Happy Women's Talk」も主宰されています。ライフワークバランスのことなど、ものすごく真剣に取り組まれていらっしゃいます。

 

二人のサリーが出会ったのは、きっと運命的なこと。二人のサリーの“魔法の力”で、もっともっとみんなが幸せになれるお手伝いができたらいいなと、ひそかにワクワクしています。
 

 
昨年12月にツイッターを始めて以来、セミナーに参加したり、オフ会を主催したり、参加したりといろいろな出会いが広がりましたが、こうした人とのつながりが、ネット上のことで終わらずに、「では会いましょう!」とすぐに実現してしまうところが、ソーシャルメディアのすごいところだなあと実感しています。
 
★生田サリーさん主宰のワークショップ

Happy Smile Project ~ 『Sally’s Happy Women’s Talk』
あなたにとって本当の幸せとは?女性の生き方を考える
『女性のためのハッピーライフ・ナビゲーション』


内容
・本当の自分と向き合おう。
・年齢の枠をとり払おう。
・本音を語ろう。
・やりたいことをやってみよう。
・あきらめていること、なんですか?
・なりたい自分には、いつからでもなれる。etc

日 時:2010年10月2日(土)14:00~16:00 (13:50開場)
場 所:名古屋国際センター(名古屋市中村区那古野1丁目47-1)
    
受講料:3,000円
定 員:40名(女性限定)

ご興味のある方、受講希望の方は、bmijapan@live.com まで  
    

 
 
posted by 神原サリー at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | サリーのひとりごと